2024-05-24 コメント投稿する ▼
交野市、万博子ども招待を全校見送り 費用3000万円と安全懸念で個別参加に切り替え
子どもたちの万博招待、交野市は「全校不参加」へ
2025年大阪・関西万博に向け、大阪府が府内小中学生を対象に実施予定の無料招待事業について、交野市の山本景市長は24日の定例記者会見で、「学校単位での参加を見送る」と正式に表明した。
交野市内13校の意向を確認した結果、「行きたいと希望した学校は一校もなかった」と説明した。府教育庁は各校に対して5月末までに参加意思を回答するよう求めていたが、市として学校単位での参加は困難と判断した形だ。
移動費約3000万円、保護者からも安全面に懸念
山本市長は、学校単位での移動には大きな費用負担が発生すると指摘した。
会場まで公共交通機関(電車)での移動が難しいことから、バス移動が必須となるが、バス代だけで市全体で約3000万円が必要になると試算。
さらに、2024年に万博建設予定地で発生した爆発事故を受け、保護者の間では安全性への不安も根強く、「安心して子どもを送り出せない」という声が出ていることも明らかにした。
今後は個別参加を想定 1回目の招待費用は府が負担
大阪府の吉村洋文知事は、「子どもたち全員を無料で複数回招待したい」と意欲を示しているが、府の方針では1回目の招待費用のみ府が負担し、2回目以降は市町村側にも一定の負担を求める方向だ。
また、1回目であっても、子どもたちの会場への移動費については市町村側が負担する取り決めとなっている。
交野市ではこの状況を踏まえ、1回目についても「保護者の希望に応じて個別に参加してもらう」形を検討している。
「学校に踏み絵を踏ませるな」 山本市長が制度設計に苦言
山本市長は、府教育庁が各学校に対して参加意思を求めたやり方にも疑義を呈した。
「学校は府の意向に異議を唱えにくくなっている。学校側に踏み絵を踏ませるような行為は、教育行政としていかがなものか」と批判した。
あくまでも子どもたちの安全と保護者負担を第一に考えたうえで、慎重な判断を下したと説明している。
- 交野市の全13校、学校単位での万博招待は不参加
- 移動手段確保に約3000万円の費用が必要
- 保護者から会場安全性への強い懸念
- 個別参加のみを想定、1回目の招待は府負担
- 山本市長「学校に異議を唱えさせないやり方は問題」と苦言