2025-04-23 コメント投稿する ▼
林官房長官、参院選展望を語るも…物価高・減税に消極姿勢 国民感覚とのズレ鮮明に
物価高に無策感 「実質賃金上昇」頼みの姿勢
4月23日、林芳正官房長官は「選挙ドットコムちゃんねる」に出演し、今夏の参院選の展望について語った。林氏は「国民の審判を受ける重要な選挙」と位置付けたが、物価高対策については曖昧な表現に終始。春闘の賃上げを材料に「実質賃金の上昇定着が大事」と述べるにとどまり、政府としてどのような具体策を講じるかについては踏み込みを避けた。物価高騰が続き、実質賃金のマイナスが続く現状を前に、「賃上げ頼み」の姿勢は、国民の生活苦に対する認識の甘さを浮き彫りにしている。
現金給付を強調も効果薄 減税には及び腰
林氏は、低所得者向けの現金給付(1世帯あたり3万円、子ども加算あり)を夏までに順次実施すると強調。「支給が始まると話題にならない」としつつ、「100兆円超の予算」をアピールした。しかし現金給付は一時的な措置に過ぎず、生活苦に根本的な改善をもたらすものではない。
一方で減税については慎重姿勢を崩さず、「税制は将来にわたる影響がある」と説明。税収減による財源不足を理由に減税議論を先送りしており、物価高に苦しむ国民感情との乖離は深まるばかりだ。選挙対策的な「ばらまき」でごまかし、根本的な負担軽減には後ろ向きな姿勢が透けて見える。
国民民主党とのすれ違いに見る自民党の硬直性
現役世代の手取り増を掲げる国民民主党との間でも、考え方の違いが鮮明になった。特に「年収103万円の壁」問題では、最低賃金の上昇を根拠に制度改正を求める国民民主党に対し、自民党側は物価上昇率を理由に慎重な姿勢を取った。
さらに、国民民主党から「財源は与党が考えるべき」との指摘を受けながらも、建設的な議論を進めることができなかったと林氏は振り返った。与党内の硬直した財政観念が、現実的な改革提案すら拒絶する体質を露呈している。
消費税減税論議を牽制 過去の政策への固執
消費税減税についても、林氏は「税と社会保障の一体改革」の理念を持ち出し、減税議論にブレーキをかけた。だが、当時と異なり、いまは深刻な物価高と実質賃金低下という新たな課題に直面している。にもかかわらず、過去の合意に固執する姿勢は、柔軟な政策転換を拒む「時代遅れ」と言わざるを得ない。
現実に即した減税や社会保障制度の見直しを求める国民の声に、林氏をはじめとする自民党指導部が耳を貸す様子はない。参院選を前に「国民の審判」を受けると言いながら、肝心の政策においては旧態依然とした姿勢を続ける姿が、国民の政治不信を一層深める結果になりかねない。
- 林氏は参院選について「国民の審判」と位置付けるも、物価高対策の具体策は乏しい。
- 現金給付を強調する一方で、減税には消極姿勢を維持。
- 国民民主党との議論も噛み合わず、与党の硬直性を露呈。
- 消費税減税論議には後ろ向きで、時代状況に即した対応を拒む姿勢が目立つ。