鹿角市長選2025｜新人・笹本真司氏が初当選　停滞した市政刷新へ本格始動

鹿角市長選 笹本真司氏が初当選　混乱続いた市政立て直しへ第一歩

秋田県鹿角市で27日に行われた市長選挙は、新人で元市議の笹本真司氏（39）が初当選を果たし幕を閉じた。パワハラ問題で失職した前市長・関厚氏（71）ら4人を退け、市政刷新を訴えた笹本氏が市民の信任を得た。

若きリーダー誕生、市政再建へ意欲

広島県出身の笹本氏は、東京工業大学大学院を修了後、民間企業や地元ホテル勤務を経て、2021年に鹿角市議に初当選。今回の選挙では「活気と対話にあふれるまちづくり」を掲げ、停滞した市政の打破に向けた決意を強く打ち出した。

なかでも、数百億円規模のデータセンター誘致をはじめとする経済活性化策は、多くの市民の期待を集めた。開票の結果、笹本氏は5,268票を獲得し、前市長の関氏（4,746票）らを抑えて頂点に立った。

パワハラ問題で揺れた鹿角市政

今回の選挙戦の背景には、市政への強い不信感があった。前職の関厚氏は、市職員への「退職金をなくしてやる」といった発言を含む12件の言動が第三者委員会によりパワハラと認定され、市議会から2度にわたり不信任決議を受けて失職。混迷する市政への市民の苛立ちは根深く、改革を訴える声が高まっていた。

「責任の重さを痛感」笹本氏、就任後も真摯な姿勢

初当選が決まった27日夜、笹本氏は「30代の私に将来を託していただいた責任の重みを痛感している。これからが本当の勝負だ」と記者団に語った。今後は、傷ついた職員や議会との信頼関係を再構築し、地域経済の立て直しにも全力を尽くす考えだ。

鹿角市長選　開票結果

- 笹本真司氏（39）　5,268票
- 関厚氏（71）　4,746票
- 金沢大輔氏（51）　2,367票
- 奈良大氣氏（40）　754票
- 藤井陽光氏（77）　436票

投票率は58.41％と、前回選挙より4.7ポイント低下。政治への関心の薄れも一方で課題として浮かび上がった。


- 新人・笹本真司氏が初当選、市政刷新へ意欲
- 関厚前市長はパワハラ問題で市民の支持を失う
- 笹本氏はデータセンター誘致など経済活性化策を訴え