2025-04-17 コメント投稿する ▼
「罠のクマに発砲はおかしい」発言に現場が反発 串田議員に突きつけられた“現実”の声
「罠の熊にも発砲はおかしい」?串田議員の発言に現場から困惑と批判
クマの出没が深刻化する中、国が進める法改正に対し、驚くべき発言が飛び出した。4月17日の参院環境委員会で、日本維新の会の串田誠一議員が、「罠にかかったクマにまで銃を使うのはおかしい」と主張したのだ。
だが、この発言は、現場で命がけでクマ対策にあたっている自治体やハンターたちの実態をまったく無視したものとして、強い批判を浴びている。
現場は命懸け 罠の中でも熊は凶暴
串田氏は「罠にかかって動けないクマを撃つのは非人道的」と訴えたが、これに対し環境省の小林史明副大臣は、「檻の中でも暴れて人に襲いかかるケースがあり、麻酔を使うのも簡単ではない」と反論した。
実際、罠にかかったクマが檻を壊して逃げた事例や、作業中の職員が襲われたケースもある。現場にとっては、いつ暴れるか分からない“時限爆弾”のような状況なのだ。
「机上の空論だ」 現場からの怒り
串田氏の発言に、現場でクマ駆除に携わる猟友会関係者からは「机の上で議論してるだけで、現場の危険をわかっていない」「住民を守る気があるのか」といった厳しい声が相次いでいる。
ある北海道の自治体職員は、「罠にかかったクマを見て“もう安心だ”と思うのは大きな間違い。檻の中で跳ね回り、鉄の棒をねじ曲げるような力を持っている」と語る。場合によっては、近くに住む住民の安全すら脅かす可能性がある。
住民の命を守る法改正に“待った”をかける無責任さ
今回の法改正は、緊急事態時に限って罠にかかったクマにも発砲を認めることで、住民や作業者の命を守るための対応を可能にするものだ。
クマの出没が常態化し、昨年度の人的被害は全国で150人以上。これ以上の被害を防ぐには、現場の柔軟な判断と迅速な対応が必要だ。そうした実情を無視して一方的に「発砲はおかしい」と決めつけるのは、あまりにも無責任と言わざるを得ない。
現実を直視した議論こそ必要だ
動物愛護の視点も大切ではあるが、それだけで現実の危機を覆い隠すわけにはいかない。野生のクマは人間の手に負える存在ではなく、罠にかかっていても凶暴性を失わない。政治家には、理想論ではなく、命を守るための現実的な議論が求められる。
- 串田議員が「罠にかかったクマへの発砲はおかしい」と問題提起
- 現場からは「非現実的」「命を軽視している」と強い反発
- 政府は「緊急時の住民の安全確保が最優先」と説明
- 現実を見た冷静な議論の必要性が改めて浮き彫りに