2025-06-14 コメント: 2件 ▼
山尾志桜里氏、公認取消に「統治能力に深刻な疑問」 国民民主党を離党へ

山尾氏は、昨年末に国民民主党の玉木雄一郎代表から国政復帰の打診を受け、本年春には夏の参院選への出馬要請を正式に受け入れる意向を固めていた。4月には党本部から公認内定の通知が届き、記者会見や選挙準備に向けた調整が進められていたが、党の判断により発表は先送りとなった。その後、一部で過去の言動やSNS投稿が問題視され、党内に慎重な対応を求める声が上がったとされる。
山尾氏は「懸念があるなら、公認内定の前にしっかり話し合うべきだった」とし、当初から会談の機会を設けるよう求めていたことを明かした。それにもかかわらず、党側からは「面談は不要」との返答があったという。
6月10日には記者会見を開き、自身の政治姿勢や出馬への覚悟について語った。会見は2時間を超え、多くの記者の質問に真摯に応じた。だが、わずか1日後、党からは「公認取消」の判断が通知され、山尾氏は「誠実に応じたつもりだっただけに、唐突で納得できない対応だった」と受け止めている。
「有権者や支援者の信頼を得られない」との理由での公認撤回には、「この説明が、果たして国民に対する説得力を持つのか」と疑問を呈し、党の意思決定プロセスにも不信感をにじませた。
とりわけ、山尾氏は「明確に執行部から出馬要請を受けたはずが、最終的な責任は議員総会に転嫁された」として、党の統治構造そのものに課題があると指摘した。
支持者や後援会の関係者に対しては深く感謝と謝罪の意を示した。街頭活動やポスター掲示などに尽力してくれた支援者の姿を思い浮かべながら、「今回の一件は本当に心苦しい。どれだけ頭を下げても足りない」と述べ、誠意を込めて謝意を伝えた。
政治家としての今後については、「豊かで強い国、そして誰もが生きやすい優しい国をつくるという信念に変わりはない」と強調。中道的な政治姿勢を貫きながら、新たな形での政治活動を模索する姿勢をにじませた。
山尾氏は、「このように公認を出しておきながら後から取り消すような政党に、志ある政治家が安心して身を委ねられるとは思えない」と語り、国民民主党の組織運営そのものに強い不信感を示した。
最後に、「今はまず、これまで支えてくださった皆さまへの感謝と謝罪を尽くす時間としたい」と述べ、今後の政治活動については冷静に判断していく意向を示している。
今回の山尾氏の公認取消問題は、政党のガバナンスや候補者選定のあり方に改めて注目が集まる契機となった。今後、山尾氏がどのような形で政治に関わっていくのか、政界の動向とともに注視される。