2025-06-10 コメント投稿する ▼
山尾志桜里氏、憲法9条改正とスパイ防止法に意欲 「現実見据えた改革を」
憲法9条2項の改正に踏み込む 「国民が理解できる国防体制を」
国民民主党の山尾志桜里元衆院議員は6月10日、国会内で記者会見を開き、夏の参院選に出馬する意向を正式に表明した。約2時間半にわたる会見では、自身の政治姿勢や主要政策について詳細に語った。その中でも特に注目されたのは、憲法9条2項の改正とスパイ防止法の必要性に対する言及だった。
山尾氏は、
自衛隊の存在や自衛権の行使は、現行の条文と明らかに矛盾している
と指摘。自衛隊を憲法に明記することに加え、「2項は改正し、自衛権の行使における手続き的統制を明文化すべき」と訴えた。
現行憲法の曖昧な解釈に頼り続けるのは限界がある。憲法の文言と現実の乖離を放置すれば、国民の理解も信頼も得られない
と語り、解釈変更によって積み重ねられた戦後の憲法論を批判した。
また、改憲に懸念を示す護憲派の声にも言及し、「不安に思う気持ちを丁寧に受け止め、合意形成を図りたい」と述べた。敵味方で分断するのではなく、国民全体が関われる議論を求める姿勢をにじませた。
「右派の政策」とのレッテルに異議 スパイ防止法は「真ん中の議論」
山尾氏はまた、スパイ防止法の制定や外国人による土地取得の規制についても取り上げ、「こうした政策は右のものではなく、むしろ中道の国民が自然に抱いている不安に応えるものだ」と強調した。
現在の日本にはスパイ行為を明確に取り締まる法律が存在せず、機密情報の流出リスクは常に指摘されてきた。国際的にも異例なこの法的空白を埋めるため、山尾氏は「党派を超えて進めるべき課題だ」と主張。特に、外国資本による自衛隊基地周辺などの土地買収についても、「国民の不安に応え、国家の安全保障を確保するためには不可欠」と力を込めた。
国民民主党が掲げる「対決より解決」の立場から、「野党でも与党に働きかけ、必要な政策を一歩ずつ実現する」姿勢を打ち出し、従来のイデオロギー対立に左右されない政治を志向する姿勢を鮮明にした。
女系天皇容認発言には慎重論 記者会見では明言避ける
一方で、皇位継承に関する質問には、
安定的な継承は極めて重要な問題だが、いまこの場で個別の選択肢に言及するのは適切でない
と述べ、慎重な姿勢を示した。
ただ、5月15日のX(旧Twitter)投稿では、「女系天皇を排除するような進め方は間違っている」と発信しており、保守層の間では疑問の声も上がっている。記者会見では、具体的な皇位継承の在り方への踏み込みは避けたが、今後の発言や立場が注目される。
日本の伝統に深く関わる皇位継承の問題は、世代や政治的立場を超えて大きな関心事となっている。女系天皇容認に対しては「伝統の否定につながる」とする声も根強く、軽々に扱うべきテーマではない。今後、山尾氏がどのように立場を整理し、保守層との信頼関係を築いていくかが問われる。
憲法改正・国家安全保障に真っ向から切り込む新たな野党像
山尾志桜里氏は、従来の「改憲=右派」「護憲=左派」という硬直的な対立軸に風穴を開けようとしている。現実的な安全保障政策と法制度整備を進めるには、もはや「改憲タブー」を乗り越える必要があるという主張は、政策本位で政治を考える有権者には響くはずだ。
さらに、スパイ防止法や土地取得規制といった安全保障政策に取り組む姿勢は、従来の野党政治家には見られなかった現実志向の現れでもある。対決のための野党ではなく、解決のために動く野党。その象徴として、山尾氏の参院選出馬は、大きな注目を集めている。
「山尾さんの改憲論、筋が通っていて分かりやすい」
「スパイ防止法が“右”とか言ってる人が古い。普通に必要」
「女系天皇は認められない。慎重な議論が必要」
「自衛隊を憲法に明記するのは当然。これまでが異常だった」
「対決じゃなくて解決を掲げる国民民主には期待したい」
山尾氏が訴える「国民が理解できる政治言語」への転換と、「現実を直視する安全保障政策」は、参院選の争点として避けて通れないテーマだろう。日本の政治に必要なのは、理念やレッテルではなく、地に足のついた改革への意思だ。