2025-04-28 コメント投稿する ▼
自民都連、渡部カンコロンゴ氏擁立断念 多様性重視の動きに保守派が強く反発
渡部カンコロンゴ氏擁立騒動 自民都連幹部の言い分「多様性は必要」
夏の参議院選挙東京選挙区(改選数6、補選1)を巡り、自民党東京都連がNPO法人前代表理事の渡部カンコロンゴ清花氏(34)の擁立を調整していた問題が波紋を広げている。擁立を主導したとされる都連幹部は「多様性や包摂性が組織の強化につながる」と説明するが、渡部氏の過去の言動を巡り、党内では保守系議員を中心に強い反発が広がった。
「反自民」的発言で波紋広がる
渡部氏はこれまで、TBS系番組「サンデーモーニング」でコメンテーターを務め、「反自民」ともとれる発言を繰り返してきたことで知られる。特に安倍晋三元首相に対する批判的なコメントも目立ち、これが保守層の警戒感を強める一因となった。
自民党の保守系ベテラン議員の一人は「安倍元首相の人格を貶めるような人物を公認すれば、党の岩盤支持層が離れるだけでなく、党内批判も噴き出してしまう」と危機感をあらわにし、今回の擁立見送りに「本当に良かった」と胸をなで下ろした。
擁立を進めた都連幹部の思惑
渡部氏を擁立しようとしたのは、石破茂総裁に近いとされる都連幹部だとみられている。都連は既に武見敬三参院議員会長(73)の公認を決めており、2人目の候補者探しを進める中で、石原伸晃元幹事長や参院議員経験者の女性ら複数を検討していたが、最終選考に残ったのが渡部氏だった。
都連幹部は、推薦の経緯について明言を避けたものの、「これからの時代、ダイバーシティー(多様性)とインクルージョン(包摂性)がなければ組織は強くならない」と持論を展開。しかし、党内の理解を得られず、渡部氏の擁立話は一夜にして撤回される結果となった。
党内に広がる左傾化への不信感
今回の騒動は、自民党内部に存在する「左傾化」への根強い不信感を改めて浮き彫りにした。岸田政権下でも、リベラル寄りの政策への傾斜を懸念する声は消えておらず、特に保守派からは「党の根幹を揺るがしかねない」との危機感が強い。
ある保守系若手議員は、「政権浮揚を狙って多様性を打ち出すのは理解できるが、党是や党の理念を軽視するような人選は認められない」と語り、党の根本姿勢を守る必要性を訴えた。
今後の候補者選びに影響も
今回の一件を受け、自民党東京都連は今後の候補者選びに一層慎重になるとみられる。特に、参院選東京選挙区は全国でも注目度が高く、与党としても絶対に落とせない重要区だ。広範な支持層の取り込みを図る一方で、党の基本理念に反しない人材を見極める必要性が高まっている。
今後、都連がどのような基準で候補者選定を進めるのか、保守層とリベラル志向の綱引きが続く中で、その動向に注目が集まる。
- 渡部カンコロンゴ氏の擁立話により党内に波紋
- 擁立を進めたのは石破茂氏に近いとされる都連幹部
- 多様性重視を強調するも、保守派が猛反発
- 今後の自民党候補者選びに慎重姿勢強まる見通し