2025-04-16 コメント投稿する ▼
「制度を動かす側へ」渡部カンコロンゴ清花氏、公認見送りも語った信念と変化の軌跡
左派的環境で育った過去と視野の広がり
渡部氏は「もともと左寄りの思想に染まっていた」と過去を振り返る。市民活動に深く関わる家庭で育ち、日常的に「自民党解体」「安倍政権NO」といったスローガンが飛び交う環境に身を置いていたという。そのため、政治や国家に対する見方が極端に偏っていたと、今では冷静に自己分析する。
大学院進学とともに上京し、社会人として働くなかで、様々な立場の人々と出会い、考えに触れる機会が増えた。それが「自分の中にあった偏りを少しずつ解きほぐしてくれた」と語る。野党だけでなく与党の議員、官僚、NPOの現場の人々と関わる中で、イデオロギーを超えた対話の可能性に気づいたのだという。
NPO活動で直面した制度の限界と政治への転機
渡部氏は10年以上、NPOや民間の立場から子どもや若者の支援に関わってきた。だが、どれほど現場で声を上げても、「制度が変わらなければ根本的な解決には至らない」ことに何度も直面したという。
その実体験から、「現場の声を生かすためには、制度の中に入って変えていくしかない」と考えるようになった。今回自民党を選んだのも、理想を掲げるだけでなく、それを現実に落とし込む「実行力」に重きを置いたからだ。
「完璧な政策など存在しないが、今ある現実の中で最善を尽くしている姿勢に触れることが多く、そこに可能性を感じた」と、渡部氏は語る。
過去の言動を受け止め、信頼を築く覚悟
学生時代にSNS上で過激な表現をしたことについても、渡部氏は「深く反省している」と謝罪。そのうえで、「当時そう考えていた自分を否定せず、どう考えが変わったのかを語ることが責任だ」と自戒を込めて述べた。
変化は後ろめたいことではなく、むしろ成長の証であり、これからも柔軟に学び続けたいと決意をにじませている。
自民党を選んだ理由と今後の展望
自民党には厳しい目が注がれていることを承知のうえで、渡部氏は「信頼を取り戻すために、あえてその中で挑戦する意義がある」と語る。
今回、公認には至らなかったものの、「このプロセスからの学びは大きかった。次のステージに進む糧にしたい」と前向きに結んだ。
社会を“変える”のではなく“育てる”政治を
渡部カンコロンゴ清花氏が訴えるのは、急進的な変革ではなく、着実な前進と合意形成。理想を現実に落とし込み、多様な価値観のなかで粘り強く対話を重ねていく政治の在り方である。制度と現場をつなぐ橋渡し役として、自らの経験を次なる挑戦に生かそうとしている。