2025-04-04 コメント: 1件 ▼
公約「ジャングリア沖縄」渋滞回避のカギは“帰路”にあり 許田IC周辺、対策ゼロの現実
県道84号線:右折帯設置も抜本策とはならず
県道84号線の「テーマパーク入口交差点」(仮称)では、県と県警が右折帯の新設と信号機の設置を進めている。右折帯は全長43メートルで車両6台が並ぶことが可能とされ、信号サイクル80秒の条件下では1時間あたり最大360台が右折可能とされる。しかし実際には交通の流れや前方の車列の影響もあり、300台程度が限界とみられる。
これを超えた来場が見込まれる場合、交差点を起点とした長大な渋滞が発生する恐れが強く、現場だけでの対策では限界がある。
本部半島だけでなく「帰路」にも着目を
ジャングリアを訪れる観光客の多くは本部半島内に宿泊するのではなく、那覇市内や北谷町など県南部に滞在することが多いとされる。このため、テーマパーク見学後の「帰路」に大規模な交通集中が発生する可能性が高くなる。特に、県道84号線から名護市街地を通り、高速道路(沖縄自動車道)の許田ICへ向かうルートがボトルネックとなることが予想されている。
許田IC周辺:渋滞対策は皆無に等しい
現在、許田IC周辺には新たな交差点改良や車線増設といった渋滞緩和策は講じられておらず、通常でも週末には交通が滞る場所だ。ジャングリア開業によって集中する観光車両の影響で、IC付近は慢性的な渋滞に陥る懸念がある。さらに、名護東道路が高速道路と直結しておらず、代替ルートとして機能しない点も問題だ。
専門家「時間とルートの分散が不可欠」
琉球大学の准教授は「来園者の行動を時間帯やルートで分散させることが渋滞回避の鍵」と指摘する。事前予約制による入園時間の制御や、北側からのアクセスを促進する情報提供、カーナビ連携などの工夫が必要だという。単に現場の道路改良に頼るのではなく、交通需要マネジメント(TDM)の視点が求められる。
許田IC対策なくして地域交通は守れない
沖縄県およびジャングリアの運営企業・ジャパンエンターテイメント(JE)は、県道84号線交差点の改良に注力しているが、それだけでは不十分だ。許田ICを中心とした名護市北部の交通インフラ全体を俯瞰し、事前の車両流入シミュレーションや対策の実施が急務となっている。
ジャングリア沖縄の成功には、観光客の満足だけでなく、地域住民の生活への影響を最小限にとどめる努力が不可欠だ。そのためには、観光拠点から離れた地点、特に許田IC周辺の交通対策を「見て見ぬふり」せず、真摯に向き合うことが求められる。
- ジャングリア沖縄は7月開業予定で、県道84号線交差点の右折帯整備が進行中。
- しかし、交通渋滞の根本的問題は許田IC周辺に集中する「帰路の車両」にある。
- 名護東道路は高速道路と直結しておらず、渋滞緩和の効果は限定的。
- 許田IC周辺には現時点で目立った渋滞対策がない。
- 専門家は入園時間やルートの分散など、TDM的な工夫の必要性を指摘。
- 県と運営企業は、許田IC付近の対策にも本腰を入れるべき。
この投稿は島尻安伊子の公約「JUNGLIA(ジャングリア)に係る渋滞対策」に関連する活動情報です。この公約は10点の得点で、公約偏差値35.8、達成率は0%と評価されています。