2025-05-30 コメント: 1件 ▼
横沢議員、米価格高騰と農政の矛盾を追及 食品流通法改正案の実効性に疑問も
「合理的な価格と安定供給」の両立を問う法改正案、横沢議員が政府に厳しく提起
5月30日の参院本会議では、「食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律および卸売市場法の一部改正案」について、立憲民主・社民・無所属の横沢高徳議員が代表質問を行った。横沢氏は、近年の食料供給不安や価格高騰を踏まえ、「食べることは生きること」であるとしたうえで、農政全体の抜本的見直しの必要性を訴えた。
米価格高騰と農政の矛盾を指摘
横沢氏は、現在の米の価格高騰について、「不作ではないのに備蓄米を次々に放出しなければならない現状は、農政の失敗そのもの」と批判。小泉農水相が備蓄米の価格を「5kgで2000円」と独自に打ち出したことについて、「合理的な価格形成の原則から逸脱していないか」と問いただした。
現場の声として「子どもにお腹いっぱい食べさせたいけど、お米が高くて難しい」「農家の収入は上がっていないのに米の価格だけが上がっている」といった嘆きを紹介し、こうした状況を放置することは政治の怠慢だと厳しく述べた。
持続可能な食料生産と価格形成の両立を求める
また法案の柱である「再生産可能な価格形成」については、「生産者も消費者も納得できる価格とは何か」を深掘りし、物価高や円安による資材費・物流費の高騰を背景に、農家が十分な利益を得られる仕組みの必要性を訴えた。
消費者は「安全で安価な食料」を求める一方で、生産者は「持続可能な所得」を求めている。この相反するニーズをどう調整するのか、法案の実効性が問われている。
取引条件と商慣習見直しの努力義務に懸念も
改正案では、飲食料品等事業者に対し「価格や条件に関する協議に誠実に応じること」と「商慣習の見直し提案に協力すること」という2つの努力義務が盛り込まれている。しかし横沢氏は、「協議はあくまで努力義務にとどまり、結局は立場の弱い生産者に負担が集中する恐れがある」と指摘。
例として、納品までの時間が短すぎて見込み生産せざるを得ない製パン業者の実態を紹介し、余剰生産による心理的負担や食品ロスの現状に触れた。
制度の実効性と成果指標に具体性を
さらに、農林水産大臣が指定する「コメ」「野菜」「牛乳」「豆腐・納豆」などについて、コスト指標作成団体の認定制度を通じて価格の透明性向上を図る仕組みも盛り込まれている。これに関して横沢氏は、「どのような基準で団体を認定するのか」「成果は農業者の所得にどう反映されるのか」といった具体性を求めた。
また、産地での一次加工や物流合理化、環境負荷低減といった事業活動に対しては、「単なる補助ではなく、農家の安定収入につながる制度設計が不可欠」と強調した。
法案の本質は「信頼と納得の価格」
横沢氏は、「価格が上がってしまえば、いくら理念が立派でも消費者は手を引く」と述べ、法案の目的である「適正な価格形成」と「事業活動の促進」が再生産可能な価格を本当に実現できるのか、冷静な見極めが必要だと訴えた。
立憲民主党としては、食料安全保障の観点から「直接支払制度」の創設を提案。農地の維持や生産の継続に対する政策的支援を強化することで、農家の再生産を下支えする方針だ。
SNSでもさまざまな声
「米が高くて手が出ないのに、農家は儲かっていない。流通のどこかで何かがおかしい」
「横沢さんの質問、的確だった。備蓄米の価格を勝手に決めるのは問題だろ」
「農水相の2000円発言、消費者の不安をあおってないか?」
「努力義務じゃなくて、もっと強制力のある制度にしないと意味ない」
「この法案、期待してるけど、実効性が伴うか不安もある」