2025-07-20 コメント投稿する ▼
へずまりゅう氏が奈良市議選で3位当選 元迷惑系から政治家へ「奈良のために行動で示す」
「元迷惑系」から市議へ 8320票で3位当選の衝撃
7月20日に投開票された奈良市議選(定数39)で、元“迷惑系ユーチューバー”として知られるへずまりゅう氏(34)が8320票を獲得し、堂々の3位で初当選を果たした。無所属・新人としての出馬ながら、その得票数は市民の関心の高さを物語る。
へずま氏はかつて、店舗での迷惑行為や突撃動画などで批判を浴び、全国的な物議を醸した存在だった。しかし、近年では奈良公園のシカ保護活動や能登半島地震のボランティア参加などを通じ、「社会の役に立つ生き方」へと転身。選挙戦では終始「過去ではなく、今と未来を見てほしい」と訴え続けた。
「あんな過去があっても、変わろうとした努力は本物だったと思う」
「昔は正直嫌いだったけど、今の活動を見て票を入れた」
SNSでも、有権者の“変化を受け入れる姿勢”が、今回の当選の背景にあることがうかがえる。
奈良の現場で積んだ信頼 シカ保護や地域清掃
へずま氏は「奈良のために行動で示す」と繰り返し強調してきた。その言葉どおり、選挙前から地元・奈良での活動を積極的に行ってきた。奈良公園では放置されたごみの清掃や、観光客によるシカへの迷惑行為を減らすための啓発活動を展開。過去の“迷惑行為”とは正反対の行動を積み重ね、地域との信頼を築いてきた。
選挙公報やSNSでも「現場で汗をかく政治家になります」と訴え、「言葉よりも行動で評価してほしい」と有権者に呼びかけた。能登半島地震の被災地にも足を運び、現地支援を通じて「本当に困っている人に寄り添う政治」を体現しようとする姿勢が、多くの人々に届いたとみられる。
「奈良公園で黙々と清掃してたの、覚えてる」
「有名人の話題性じゃなく、実際にやってることを見て決めた」
過去のイメージを一転させる“地に足のついた”活動が、有権者の心をつかんだ。
政治家としての課題と注目 市議会で何ができるか
とはいえ、政治の現場は人気やイメージだけでは通用しない。市議会では予算の精査、条例の審議、福祉や教育といった複雑な課題に向き合う必要がある。へずま氏がどのように学び、適応していくかが今後の注目点だ。
本人も当選後、「奈良市の未来を真剣に考えていく。市民の声を一番近くで聞く政治家になる」と語っており、タレント議員とは一線を画したいという強い意志を示している。議員報酬についても一部返納や寄付を示唆するなど、パフォーマンスではない“誠実さ”を強調している。
今後は、議会質問や政策提案の中で、実務能力や政治的な視点が問われる。過去を超えて信頼を積み重ねるには、「有言実行」の姿勢を継続できるかが鍵となるだろう。
「これからが本番。口だけじゃなく、市政で成果を出してほしい」
「若い世代の代弁者になってくれると期待してる」
市民の声からは、当選の驚きだけでなく、“期待と監視”の視線が同居していることが分かる。
変化と許容が生んだ当選 今後の政治姿勢に注目
へずまりゅう氏の当選は、単なる“話題”ではなく、現代社会における「変化」と「許容」の価値を象徴している。SNS時代に育った世代が、過去の過ちよりも現在の行動を評価し、“チャンスを与える文化”が根付き始めたとも言えるだろう。
同時に、政治の信頼回復には「過去の更生」と「今の責任」が不可欠だ。へずま氏が議場でどんな立ち振る舞いを見せるのか、多くの市民が厳しくも温かい目で見守っている。