2025-03-24 コメント投稿する ▼
博士課程支援プログラム、受給者の3割が中国人留学生 有村治子氏が日本学生優先の必要性を強調
SPRINGプログラムの概要と受給者の国別割合
SPRINGは2009年度から始まった、文部科学省が所管する助成制度で、大学院の博士課程に在籍する学生に対して、最大290万円を支給する。これは3年間(4年制の学生には4年)の間、返済義務のない給付金として支給されるもので、国籍や年齢に制限は設けられていない。
2024年度の受給者は1万564人。そのうち外国籍の学生が4割を占め、その中でも中国人留学生が2904人に達していることが明らかになった。一方、日本人の受給者は6割にあたる6439人にとどまった。この外国籍者の割合がどのように増加したのか、具体的な状況も報告された。
中国人留学生の急増
特に東京大学での中国人留学生の数が急増しており、過去10年間で3倍以上に増加している。2008年度には727人だった東京大の中国人留学生は、2024年度には3396人に達し、16年間でなんと4.7倍もの増加を見せた。東京大の全留学生に占める中国人の割合は、2009年度の30%から、2024年度には61%にまで増えている。
京都大学も同様で、2008年度には528人だった中国人留学生が、2024年度には1674人に増加。その割合も40%から57%に上がっている。このように、国内最高峰の大学での中国人留学生の比率が増え続けている現状が浮き彫りとなった。
有村氏の懸念と日本の学生支援の重要性
有村治子氏は、これらの数字に強い懸念を示し、「日本の学生こそ日本の宝」と訴えた。外国人留学生に対しても支援は必要だが、それ以上に日本の学生を優先するべきだと強調した。具体的には、外国人留学生に対しても学費などの負担を求めるべきだと主張。
有村氏は、カナダや米国の大学における留学生の学費が、自国の学生の学費に比べて非常に高いことを挙げ、「日本でも自国の学生を重視し、外国人留学生には応分の負担をしてもらう学費設定を積極的に実施すべきだ」と訴えた。また、「日本の学生を支援する原則をしっかりと打ち出すべきだ」と力説した。
文科省の対応
文部科学省の担当者は、留学生受け入れの背景について、特に中国からの留学生の増加は世界的な流れであると説明。その上で、「多様な国や地域から優秀な外国人を戦略的に受け入れる方針だ」と述べ、今後は中国以外の国からの留学生の受け入れも強化していく意向を示した。