2025-06-04 コメント投稿する ▼
吉川沙織議員『信なくば立たず』 裏金問題で自民29人に道義的責任を厳しく追及
「不記載では信頼得られぬ」――吉川議員が本会議で強く批判
6月4日に開かれた参議院政治倫理審査会で、立憲民主党の吉川沙織参院議員が意見表明に立ち、自民党所属の29人の裏金問題について「政治的・道義的責任がある」と明言した。吉川議員は、問題の本質を見逃さず、冷静かつ鋭く現状の政治不信の深刻さを指摘し、審査会の場を通じて政治の自浄作用を求めた。
「どれだけ良い政策をつくっても、政治資金の不記載があれば国民からの信頼は得られない」。吉川議員のこの発言には、場内の空気が引き締まるほどの重みがあった。
出席を拒んだ8か月を経て――苦悩と葛藤に満ちた審査経過
吉川議員は意見表明の冒頭で、昨年からの審査経過を詳細に振り返った。昨年3月に申立てがなされて以降、対象となった32人のうち実際に出席して弁明したのは27人にとどまり、しかも出席までには約8か月の空白が生じた。
吉川氏はその空白期間を「幹事会の権威を貶めかねない」と表現。29人の議員のうち多くが当初は出席の意思を示さなかったにもかかわらず、年末に突然一斉に出席を申し出たことを「都合の良すぎる展開」と冷静に批判した。
「国民の疑念を払拭し、政治不信を解消するには、何よりもまず説明責任を果たすべきだった」と語る姿からは、政倫審の審査を単なるセレモニーにせず、誠実な議論の場にしようとする強い覚悟がにじんでいた。
「秘書がやった」で責任逃れ? 弁明の内容に強い疑念
審査会での弁明では、「秘書がやった」「任せていた」とする証言が相次いだ。吉川議員はこうした弁明について、「まるで示し合わせたような構成だった」と疑問を呈し、「真実とは到底思えない」と厳しく追及。
さらに、「私自身、この世界に飛び込んだ者として忸怩たる思いを抱いている」と述べ、自らの信念と政治倫理のあり方を重ね合わせる姿勢も印象的だった。
政倫審制度の限界も直言 会議録非公開に強い懸念
今回の審査会でも、会議録は作成されるが公表されない運用が続いている。これに対して吉川議員は「正式な記録とならないインターネット中継だけでは不十分」と断言。記録が残らないことの問題点を指摘し、透明性の確保と制度改善の必要性を訴えた。
「せめて審査結果ぐらいは会議録に正式に記載すべき」。この主張は、審査会の意義そのものに疑問符を投げかけると同時に、今後の政治倫理審査制度における改革の出発点ともなる提言だった。
全会一致での議決 「今後の濫用を防ぐ意義」
最終的に審査会は、自民党を含む全会一致で「29人の自民党議員に政治的・道義的責任がある」との議決に至った。吉川議員は「審査結果の公表は不十分だったが、全会一致で合意形成できた意義は大きい」と述べた。
また、「今回の初の実質審査が、今後濫用されないようにするためにも、合意形成のプロセスは丁寧に行うべきだ」と語り、政倫審の今後の役割と改革に期待を込めた。
ネットの反応
「吉川議員の意見は的確。国民の声を代弁してくれている」
「“信なくば立たず”という言葉が響いた。まさにその通り」
「一斉に弁明に出てきたのは選挙前だからでしょ、って思う」
「記録が残らない審査会って、意味あるの?」
「これを機に政倫審制度を見直すべき」