2025-11-13 コメント: 1件 ▼
猪瀬直樹議員がマイナンバー活用求める「金融所得高齢者医療費負担格差なぜ放置」厚労大臣追及
確定申告の有無によって同じ金融所得を持つ高齢者でも医療保険料が大幅に異なる実態を問題視し、マイナンバー制度の活用による不公平の解消を強く求めました。 この制度上の不公平により、同じ金融所得を持つ高齢者でも、確定申告をしない人は年間医療保険料が1.5万円程度で済む一方、確定申告をした人は52万円もの保険料を支払うことになります。 猪瀬議員は解決策として、マイナンバー制度の活用を提案しました。
2025年11月13日の参議院予算委員会で、日本維新の会の猪瀬直樹議員が高齢者の医療費負担格差問題について鋭い追及を行いました。確定申告の有無によって同じ金融所得を持つ高齢者でも医療保険料が大幅に異なる実態を問題視し、マイナンバー制度の活用による不公平の解消を強く求めました。
年収500万円でも医療保険料1.5万円の不公平
猪瀬議員は「年間500万円の配当収入の人が確定申告の有無で、年間の医療保険料は僅か1.5万円で片や52万円と大きく異なるわけですね。確定申告していない窓口負担1割の人、500万円で1割の人と3割の人とこういうふうに違ってきてるんです。よくこんな不公平を放置してきたなと思いますよ」と現行制度の問題点を鋭く指摘しました。
現在の医療保険制度では、上場株式等の配当や譲渡所得について源泉徴収により課税されても、確定申告をするかどうかで医療保険料の算定が大きく変わります。特定口座での源泉徴収のみであれば市町村民税の課税所得に含まれないため、確定申告をしない高所得の高齢者は医療費負担を軽く抑えることができる仕組みになっています。
この制度上の不公平により、同じ金融所得を持つ高齢者でも、確定申告をしない人は年間医療保険料が1.5万円程度で済む一方、確定申告をした人は52万円もの保険料を支払うことになります。窓口での自己負担割合も1割と3割に分かれるなど、極めて不合理な状況が生じています。
「確定申告するかしないかで医療費がこんなに変わるなんて知らなかった」
「金融所得がある高齢者が確定申告しなければ医療費1割負担って、おかしくない?」
「マイナンバーで把握できるはずなのに、なぜ放置しているのか疑問」
「政府は本気で不公平を解消する気があるのか」
「年金生活者が必死に医療費3割負担してるのに、株で儲けた人が1割負担とは」
証券口座の90%がマイナンバー連携済み
猪瀬議員は解決策として、マイナンバー制度の活用を提案しました。証券口座のうち90%は既にマイナンバーと紐づいており、技術的には金融所得の情報を自動的に把握することが可能な状況です。
「マイナンバーがあるんだから自動的に突き合わせできるわけじゃないですか。これ進まないんですよ全然。検討ばっかりしてたら」と猪瀬議員は政府の対応の遅さを厳しく批判しました。
2016年からマイナンバー制度が開始され、証券会社は税務署への支払調書作成時にマイナンバーの記載が義務付けられています。また、2019年度税制改正により、証券保管振替機構を通じてマイナンバー未提出者の番号を取得する措置も法令で定められており、システム的な基盤は整っています。
厚労大臣の答弁は「言い訳」の連続
これに対し上野賢一郎厚生労働大臣は「法定調書にマイナンバーが記載されていたとしても、それを現在オンラインで国税庁に提出されている割合が35%にとどまっており、そのほかは紙であったり光ディスクで提出をされている」と技術的な課題を理由に挙げました。
さらに「証券会社から国税庁のほうに情報提供していただく必要があります。それから国税庁からその情報を今度は自治体あるいは広域連合に提示をしなければ、例えば負担割合の決定などはできませんし保険料算定にも使えない」と役所間の連携の複雑さを説明しました。
しかし猪瀬議員は「マイナンバーがあるんだからその話っていうのはそんなに複雑になるんですか、よく分からないんですよそこが」と再度追及しました。マイナンバー制度の本来の目的である行政の効率化や公平・公正な社会の実現に逆行する現状への疑問を呈した形です。
上野厚労大臣は最終的に「紙でのやり取りということになりますと突合が非常に難しくなりますので、やはりオンライン上でのやり取りという形になろうかと思っております。システムの問題でありますので、その点我々も十分勉強して詳細を見極めたうえで自民・維新の協議体の方にしっかりと情報提供できるように務めさせていただきたい」と答弁し、具体的な解決時期については明言を避けました。
社会保障制度の根本的見直しが急務
政府は2023年12月に閣議決定した「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋」において、金融所得の医療保険料等への反映について2028年度までに結論を出すとしています。しかし、技術的には既に実現可能な状況にもかかわらず、省庁間の縦割りや既得権益への配慮により改革が進んでいません。
現役世代の社会保険料負担軽減が急務となる中、金融所得のある高齢富裕層に適切な負担を求めることは避けて通れない課題です。猪瀬議員の追及は、マイナンバー制度の真の活用と社会保障制度の公平性確保に向けた重要な問題提起となりました。
日本維新の会は社会保障改革の一環として、こうした不公平の是正を重要政策に掲げており、自民党との協議体でも継続的に議論していく方針です。国民の理解を得られる公平な制度設計が求められています。