2025-05-15 コメント投稿する ▼
中小企業の取引環境改善へ 下請法改正案が参院可決、公明党の提言反映
下請法改正案が参院委で可決 中小企業の取引環境改善へ
参議院経済産業委員会は5月15日、中小企業の賃上げを支援するための「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」および「下請中小企業振興法」の改正案を全会一致で可決した。この改正は、中小企業が適切な価格で取引できる環境を整え、持続的な賃上げを実現することを目指している。
中小企業の取引改善へ 下請法改正のポイント
* 親事業者による価格決定の一方的な強制を禁止
* 価格交渉を義務化し、公正な取引を促進
* 手形による代金支払いを廃止し、現金取引を推奨
* 運送業務なども対象に追加し、幅広い業種を保護
* 「下請け」「親事業者」などの用語も見直し、明確化
この法改正は、物価高や人件費の上昇に直面する中小企業にとって、取引条件を改善し、安定した収益確保を支援することが狙いだ。施行は2026年1月1日からを予定している。
公明党の石川議員、公取委の対応を確認
採決に先立つ質疑では、公明党の石川博崇参院議員が発言し、2023年10月に公明党が政府に提言した「中小企業等の賃上げ応援トータルプラン」に触れた。石川議員は、違反事例への厳格な対応を求め、政府の姿勢を確認した。
これに対し、公正取引委員会は、違反行為の取り締まり体制を強化し、調査方法を工夫するなど、積極的に取り組んでいると説明。また、「この取り組みは公明党の提言を反映したもの」と述べ、中小企業の取引環境改善に対する政府の意欲を強調した。
サイバー防御法案も可決 竹谷氏が質問
同日、参議院内閣委員会では、サイバー攻撃から国民生活を守るための「能動的サイバー防御法案」も可決された。この法案は、平時から通信情報を監視し、重大なサイバー攻撃の兆候を察知した場合、警察や自衛隊が攻撃元サーバーに侵入し無害化を図るというもの。
公明党の竹谷とし子代表代行は、基幹インフラ事業者以外も攻撃対象になる場合、どのように対応するかを質問。これに対し、石破茂首相は「緊急時には速やかに対応する」とし、迅速な防御体制を強調した。
公正取引委員会、違反対策を強化
公正取引委員会は、下請法違反の取り締まり強化を進めている。2024年度の違反勧告件数は21件に上り、不当な利益要求や代金減額などの事例が確認された。違反が認定された場合、親事業者は下請事業者に対し損失補償を行う義務がある。
今後も違反行為の早期発見に努め、中小企業が安心して取引を行える環境整備を目指すと公取委は表明している。