軽井沢町、県内初の「オープンドアスクール」設置へ　不登校や学び直しを支援

長野県軽井沢町は、2027年度の開校を目指し、不登校の児童・生徒や未就学者を支援する「オープンドアスクール」の設置を検討している。この新たな学びの場は、義務教育を修了していない人を対象とした「夜間中学」と、不登校の子どもを支援する「学びの多様化学校」を併設する予定で、県内初の試みとなる。

■オープンドアスクールの概要
「オープンドアスクール」は、文部科学省が推進する新しい学びの場で、以下の2つの機能を持つ学校を指す。

- 夜間中学：
義務教育を修了していない成人や外国籍の人々に対し、夜間に学習の機会を提供する。

- 学びの多様化学校：
不登校の子どもたちに対し、個別の学習支援や柔軟なカリキュラムを通じて、学び直しの機会を提供する。

これらの機能を併せ持つ学校は、全国で3校のみであり、軽井沢町が設置を検討することで、先駆的な取り組みとなる。

■軽井沢町の取り組み
軽井沢町では、近年、不登校の児童・生徒の増加が課題となっている。2017年度の22人から、2023年度には96人に増加しており、学びの場の多様化が求められている。

また、2020年度の国勢調査では、成人を含めた未就学者と中学校を卒業していない人の合計が205人に上るなど、学び直しのニーズも高まっている。

これらの状況を受け、土屋三千夫町長は「学びを保障する新たな場をつくっていくことが重要」と述べ、オープンドアスクールの設置に向けた検討を開始した。

■設置場所と今後の予定
オープンドアスクールの設置場所としては、軽井沢中学校などの既存の公共施設が検討されている。町は、2027年度の開校に向けて、3月から設置準備委員会を立ち上げ、指導体制や教育課程などの議論を開始する予定だ。

この取り組みにより、軽井沢町は不登校や学び直しを希望する人々に対し、柔軟で多様な学習の機会を提供することを目指している。