2025-05-09 コメント投稿する ▼
災害支援で障害者排除?参院委員会で欠格条項削除を求める声高まる
障害者排除条項に批判、参院委で削除求める声高まる
参議院災害対策特別委員会で9日、災害対策基本法改正案に関する参考人質疑が行われ、障害者を排除する「欠格条項」に対し、参考人らから強い批判が相次いだ。日本障害フォーラム(JDF)の塩田千恵子スタッフマネージャーは、この条項が障害者権利条約や障害者基本法に反しており、「障害のある人も支援活動に関わる権利がある」と強調した。
欠格条項への批判、専門家も同調
参考人として招かれた塩田氏は、災害支援団体の役員に障害者を含めることを禁じる欠格条項について「障害者が災害支援に参加することで、よりきめ細かな支援が可能になる」と指摘。さらに、「合理的配慮を行うことで、障害者も支援活動に貢献できる」と述べた。
また、内閣府の被災者支援のあり方検討会座長の鍵屋一氏は「私も同感です」とし、ピアサポート(当事者による支援)の重要性を強調。「目が見えない方の気持ちは、同じ経験を持つ人が一番理解できる。そうした人が自然に支援に加われることが大事」と述べた。
さらに、大阪公立大学の菅野拓准教授は「熊本地震でも、同じ痛みを知る当事者が支援側に立った事例がある。障害者を排除するのは適切ではない」と述べ、東京大学の加藤孝明教授も「地域の障害者と関わりながら、支援活動を行うのが当たり前。欠格条項は時代に逆行している」と批判した。
日本共産党・仁比議員も削除求める
日本共産党の仁比聡平議員は、この欠格条項に対する意見を参考人らに求めた結果、ほぼ全員が反対の立場を示した。仁比氏は「障害者を排除することは国際人権基準に反する可能性がある」と強調し、法案の見直しを要求した。
障害者支援における当事者参加の意義
障害者が災害支援に参加することには大きな意義がある。被災地での支援は多様なニーズに応じた対応が必要であり、同じ立場を経験した障害者は、被災者の心情を深く理解し、具体的な支援を提供できる。また、当事者が支援側に立つことで、被災者の安心感を高める効果もある。
法案審議の行方に注目
今回の参考人質疑を受け、災害対策基本法改正案における欠格条項の是非が改めて問われることとなった。障害者の権利を尊重し、災害支援における共生社会の実現を目指す観点から、今後の法案審議での慎重な議論が求められる。
* 参院災害対策特別委員会で、災害対策基本法改正案の「欠格条項」に批判が集中。
* 日本障害フォーラムの塩田氏は「障害者も支援に関わるべき」と強調。
* 専門家も「障害者を排除することは支援の質を下げる」と反対。
* 日本共産党・仁比議員も条項削除を求め、今後の法案審議に注目が集まる。