2025-05-13 コメント投稿する ▼
刑事デジタル法案で個人情報の目的外利用に懸念 仁比聡平議員が参院法務委で追及
刑事デジタル法案、個人情報の目的外利用に懸念
参議院法務委員会で、日本共産党の仁比聡平議員が、刑事デジタル法案に盛り込まれた「電磁的記録提供命令」の問題点を追及した。彼が問題視したのは、提供命令により収集されるデジタル個人情報が、本来の目的以外で利用される可能性だ。
警察庁の松田哲也長官官房審議官は「警察の業務上、必要と認められれば保管し、引き続き利用することもあり得る」と述べ、この懸念を事実上認めた。
過去の事件が示す情報収集のリスク
仁比議員は、過去に警察が市民の個人情報を収集し、問題視された事例を取り上げた。特に名古屋白龍町事件では、マンション建設反対運動に関わった住民の指紋やDNA、顔写真が警察に収集され、その後無罪が確定したにもかかわらず、警察はこれらの情報を削除しなかった。最終的に2024年、名古屋高裁が警察に対し情報の抹消を命じた。
仁比議員は、こうした過去の事例を引き合いに出し、「警察は膨大な個人情報を収集し、データベース化して利用しているのではないか」と指摘し、警察による個人情報の長期保存や利用が常態化していると批判した。
電磁的記録提供命令の懸念
さらに仁比議員は、法案が施行されれば、提供命令によって収集された情報が、たとえその命令が取り消されても削除されない規定になっている点を問題視。「収集された情報が警察のデータベースに蓄積され続け、捜査以外の目的で利用されるリスクがある」と警告した。
鈴木馨祐法相は「提供命令は司法の場で適切に判断される」と強調したが、具体的な情報の保護措置には言及しなかった。
ネット上の反応
この問題に対し、SNS上では様々な意見が飛び交っている。
「デジタル情報が無制限に収集され、他の目的で使われるなら、プライバシーはどうなるんだ?」
「警察が市民の個人情報を勝手に使うのは怖い。適切な管理が必要だ。」
「名古屋の事件でも、無実の人の情報を警察が勝手に保管し続けていた。こんな法案は危険だ。」
「提供命令が取り消されても情報が消えないのは問題。削除ルールがないと悪用される。」
「警察が好き勝手に個人情報を利用する社会にならないように法整備が必要だ。」
問題の本質はプライバシー保護
刑事デジタル法案は、デジタル情報を効率的に捜査に活用するための仕組みだが、収集された個人情報がどのように保管され、利用されるのかは明確でない。過去の事例からも分かるように、警察が収集した情報を無期限に保管し、捜査以外の目的で利用するリスクは現実の問題だ。
今後、国会での議論を通じて、デジタル時代のプライバシー保護と捜査の適正化をどう両立させるかが問われることになる。