2025-08-15 コメント投稿する ▼
茨城県、農業分野で特定技能外国人派遣を検討 不法就労者数全国最多の現実
茨城県、農業分野で特定技能外国人派遣の説明会を開催へ
大井川和彦知事が率いる茨城県は、深刻化する農業分野の人手不足に対応するため、特定技能外国人の派遣事業活用をテーマとした説明会を8月27日に水戸合同庁舎で開催することを明らかにした。県内の農家や農業法人を対象に、派遣事業者の事業内容説明やマッチングの場を提供する。背景には、不法就労者数が全国で最も多いという県の特殊な状況がある。
不法就労者数、全国最多の現実
出入国在留管理庁によると、令和6年に茨城県で確認された外国人不法就労者は3,452人にのぼり、全国で最多だった。そのうち農業分野が2,596人と全体の75%を占めており、農業現場での依存度の高さと不法就労の深刻さが浮き彫りになっている。県はこの状況を改善するため、本年度から「外国人適正雇用推進室」を設置し、県警や東京出入国在留管理局と連携して巡回指導や啓発活動を強化している。
特定技能派遣の導入で適正雇用を狙う
県は、人手不足に悩む農業現場の即戦力確保と、不法就労の抑止を同時に進めるため、特定技能外国人の派遣事業の活用を検討している。説明会では、15の派遣事業者が参加し、事業内容の説明(各社5分程度)やマッチング会(名刺交換・商談・相談など)が実施される予定だ。参加予定事業者にはワタミエージェント株式会社や株式会社アルプスアグリキャリアなどが含まれている。
繁忙期など短期間で人材を確保できる制度設計が可能であることから、農家にとっては安定的な人材調達の新たな手段となる可能性がある。
県民の声と懸念
一方で、ネット上ではこの取り組みに賛否両論がある。
「不法就労を防ぐ仕組みを作るなら賛成」
「農業の担い手不足は深刻だから外国人に頼らざるを得ない」
「待遇改善や減税で日本人が働きやすい環境を作る方が先では」
「移民や外国人労働者を増やすのではなく、日本の文化と法を守れる人材だけ受け入れるべき」
「不法就労が全国最多という現実を放置しての受け入れは疑問」
外国人労働者の活用は即効性がある一方で、社会統合や文化的摩擦への懸念も根強い。国内の労働力不足にどう対応するかという課題は、外国人労働者の受け入れだけでなく、国内人材の確保策や減税を通じた働きやすい環境づくりとも密接に関わっている。
今回の説明会は、茨城県における農業人材確保の大きな試金石となる。不法就労を抑制しつつ、適正な労働環境を確立できるのか。あるいは外国人労働者依存を深めるだけなのか。県の姿勢が問われている。
石破政権が掲げる国内経済の立て直しや減税議論とも重なる部分があり、地方行政がどのように国の方針と連動するかも注目される。