2025-07-01 コメント投稿する ▼
参院選和歌山で再び“世耕旋風”か 二階派と決別し無所属候補支援、保守地盤の再編狙う
参院選でも続く“世耕の逆襲”
自民分裂の和歌山選挙区 「二階政治」への決別を狙う構図に無所属でも勝った実績 “選挙に強い世耕”の存在感
2025年の参院選で、和歌山選挙区がふたたび全国注目の舞台となっている。
主役となるのは、自民党を離党しながらも圧倒的な強さで衆院選を勝ち抜いた、元経済産業相の世耕弘成氏だ。
昨年の衆院選和歌山2区。派閥パーティー収入不記載問題の責任を取り、自民を離党した世耕氏は、無所属というハンデを背負いながら、二階俊博氏の三男・二階伸康氏を破った。この選挙戦は、単なる地元の後継争いにとどまらず、「二階政治」と「改革派」の激突として、党内外に大きな衝撃を与えた。
今回の参院選でもその構図は変わらない。表向きには出馬しない世耕氏だが、自らが支援する望月良男氏の支援に動き、地元の結束を固めつつある。望月氏は世耕を前面に押し出す形で支援を受け、自民の公認候補である伸康氏と一騎打ちの構えを強めている。
「正直、無所属で勝った世耕の方が信頼できる」
「二階家の政治支配にピリオドを打った男」
「“世襲より実力”を証明したのが世耕」
「世耕が出てきたら自民でも維新でも勝てない」
「党より地元、派閥より政策って姿勢が伝わる」
“二階後”の地元支配構造に挑む 改革型保守のリアル
和歌山における自民党の勢力構造は長年、二階俊博氏を中心に築かれてきた。県町村会、県連、地元の各種団体まで、その影響力は政官業すべてに及び、「二階王国」とも呼ばれてきた。
だが、その支配構造に明確な“異を唱えた”のが世耕弘成氏だった。
2022年の知事選でも、自民県連は一度世耕側が推す候補に決定しかけたが、二階氏の影響力が残る県町村会の反対で、国民民主出身の岸本周平氏を推薦。世耕の“構造改革路線”はこのときも押し戻された。
しかし、政界全体が「政治とカネ」の問題に揺れる中、派閥に依存しない、政策本位の政治スタイルを貫く世耕氏の姿勢は、世論と現場の共感を集めている。
とりわけ、「減税」「規制改革」「安全保障強化」といった保守的かつ実務的なアジェンダは、既存の自民支持層にも響いており、今や“党を超えた有力者”としての地位を確立している。
望月氏に全面支援 実質「世耕セカンドラウンド」に
2月、自民党和歌山県連が行った参院選の公認候補選びで、元有田市長・望月良男氏は敗れた。票数は二階伸康氏が82票、望月氏が46票。だがこの敗北を受けて望月氏は自民を離党。4月には無所属での立候補を表明し、政策発表会で世耕のポスターや祝電を披露。「世耕派」を事実上名乗る選挙戦に突入した。
一方、世耕氏が望月陣営にどこまで関与するかは明言されていないが、後援会関係者や地元市議らが望月支持に回っていることからも、その影響力は隠しきれない。
この状況に対し、自民党和歌山県連幹部は「世耕を前面に出すことで望月氏の知名度を補っている」と指摘するが、衆院選で実際に勝利した“事実”の前では冷ややかな分析も空回りになっている感がある。
今回の参院選は表向き「二階家の維持」と「元市長の挑戦」という構図だが、実質は「改革派・世耕の影」と「地元旧勢力の再起」がぶつかる“セカンドラウンド”でもある。
“世耕効果”に揺れる野党 一本化でも内部は分裂
自民が分裂する中、本来なら野党が結束して攻勢を強めるべきだが、和歌山では立憲民主党と日本維新の会の協力関係にも大きな亀裂が生じている。
6月、両党は和歌山選挙区での候補者一本化を発表。立憲の村上賀厚氏を取り下げ、維新の浦平美博氏に一本化された。だが、これは立憲本部が一方的に進めた決定で、地元の立憲県連は激怒。代表の山本忠相氏は「リベラルな有権者に投票先がなくなった。浦平氏の応援は0%だ」とまで述べた。
野党の分裂は、結果的に“望月+世耕ライン”の追い風となる可能性もある。特に無党派層や保守中道の支持を広げつつある世耕氏の存在が、「党に縛られない政治家」への期待として浮上している。