2025-04-11 コメント投稿する ▼
関生支部弾圧に無罪判決続出 大椿ゆうこ氏「憲法28条守る闘い」院内集会で支援訴え
産業別労組への弾圧を問う院内集会
4月11日、参議院議員会館で「京都事件無罪判決と国賠訴訟の今後」と題する院内報告集会が開かれた。主催は「関西生コンを支援する会」(共同代表・鎌田慧氏ら)。この集会では、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)に対する一連の弾圧事件と、それに対する勝利と今後の展望が議論された。
関生支部に対する弾圧は、2018年以降、81人の労組員が逮捕され、66人が起訴されるという異例の規模に及んだ。公安警察や組織犯罪対策課が、通常の労働争議であるストライキを「恐喝」と見なして刑事事件化し、正当な労働組合活動を弾圧するという構図である。これまでに19人に無罪判決が言い渡され、11人については無罪が確定している。
湯川委員長「産業別労組を根付かせる」決意表明
院内集会では、京都地裁で無罪を勝ち取った湯川裕司・現委員長が登壇し、支援者に感謝を述べたうえで、次のように決意を語った。
「今回の弾圧で見えたのは、権力側が産業別労働組合の拡大を恐れて、組織的に排除にかかっていることだ。産業別労組は身分に関係なく同一労働・同一賃金を実現するための基盤だ。この意義を守り、産業別労組を社会に主流として根付かせたい」
湯川氏は、長期勾留という「人質司法」の過酷な環境を乗り越えて闘い抜き、今回の無罪判決を勝ち取った。
大椿副党首が国会での徹底追及を表明
集会には、社民党副党首の大椿ゆうこ参議院議員も駆けつけ、次のように強い連帯の挨拶を行った。
「関生事件は戦後最大の労働組合弾圧だ。国会でこの問題を徹底的に追及し、関生支部を全力で支える。この闘いは単なる労働事件ではない。憲法28条(団結権、団体交渉権、団体行動権)を日本社会に根付かせられるかどうか、社会全体が試されている」
大椿氏は、労働運動と憲法擁護の両立を訴え、引き続き国政の場で支援を展開する考えを明らかにした。
無理筋の起訴に裁判所が警鐘
関西生コン弁護団の中井雅人弁護士は、無罪となった「京都事件」を解説した。京都生コンクリート協同組合(京都協組)が労組対策として設立したベスト・ライナー社での労働争議を、検察は「恐喝」として起訴。しかし、京都地裁は「争議行為は労働組合の正当な権利」と明言し、検察の主張を全面的に退けた。
また、国賠訴訟弁護団長の海渡雄一弁護士は、4府県警による異常な捜査体制を厳しく批判。「産業別労組の意義を全く理解せずに暴走した」と述べた。国家賠償請求訴訟の最終弁論は6月26日に東京地裁で予定されており、多くの傍聴を呼びかけた。
今後に向けた展望と呼びかけ
集会では、小谷野毅・全日建書記長が刑事事件の無罪判決の流れを説明し、韓国建設労組との共同声明発表を予定していると報告。最後に菊池進・全日建委員長が「すべての裁判で無罪を勝ち取るまで闘う」と支援を呼びかけ、閉会した。
- 関生支部への弾圧は産業別労組潰しの組織的介入と指摘
- 湯川委員長「産業別労組を社会に根付かせる」決意
- 大椿副党首「国会で徹底追及、憲法28条を守る闘い」
- 京都地裁は労働争議の正当性を認め、無罪判決続出
- 国家賠償請求訴訟でも国側の違法捜査を追及へ