2025-05-22 コメント投稿する ▼
GX推進法改正案に「抜け穴」?岩渕議員がCO₂削減の実効性を厳しく追及
CO₂削減が進まない制度設計に疑問の声
政府が提出したGX(グリーントランスフォーメーション)推進法改正案について、22日の参議院経済産業委員会で日本共産党の岩渕友議員が疑義を呈した。岩渕氏は、同法案が大規模なCO₂排出事業者に対して排出量取引制度への参加を義務づける一方で、制度の根幹となる「排出上限(キャップ)」が設定されていないことを問題視し、「これでは削減効果が期待できない」と指摘した。
武藤経済産業大臣は「制度の目的は脱炭素と経済成長の両立であり、上限設定は産業界や生活に影響が大きすぎる」と説明したが、制度により実際にどれほどの削減が見込めるかについては明確に答えられなかった。
制度の根幹が欠如?欧州との違い
岩渕氏は、EUや英国などでは排出量に明確な上限を設けた上で取引制度を導入し、炭素価格を安定させながら削減を進めている実例を挙げ、日本の制度との違いを浮き彫りにした。特に英国は、1990年比で2030年に68%、2035年には81%以上の排出削減を目標に掲げ、制度の運用が具体的な成果に直結していると説明した。
一方、日本の制度では目標設定が曖昧なうえ、GX推進法と同時に導入される20兆円規模の「GX経済移行債」が、実質的に原子力や化石燃料関連事業への投資を後押しする側面もあり、脱炭素に本気で取り組む姿勢が見えにくいとの批判が出ている。
「排出ゼロ」より「投資先の確保」か
議論の焦点となっているのは、同制度が本当に排出削減に向けた道筋を描けているかどうかだ。岩渕氏は「気候変動を真剣に止めるなら、まず国が科学的根拠に基づいた削減目標を設定し、それに制度を合わせていくべきだ」と強調。現在の制度では、経済的仕組みは整いつつあるものの、実効性のある目標と連動しておらず、単なる「お金のやり取り」で終わってしまう恐れがある。
GX推進に必要な「本気の覚悟」
GX推進法の改正は、日本が2050年のカーボンニュートラル達成に向けて具体的なステップを踏む重要な契機だ。しかし、その内容が経済活動への影響を気にするあまり、本質的な排出削減に踏み込めていないのであれば、世界の流れからは取り残されかねない。
国際社会では、気候変動対策の遅れが経済競争力の低下や投資の減退にもつながるとの認識が広がっており、日本においても本気で脱炭素を進める覚悟が問われている。
ネットの声
「キャップなしの取引制度って、結局CO₂出し放題になるだけじゃない?」
「温暖化対策というより、名ばかりの経済政策って感じ」
「原発延命のためのGXじゃ、誰も納得しない」
「炭素価格が低すぎたら、排出量なんて減るはずないよ」
「日本もEU並みに本気出さないと、投資家に見捨てられるぞ」