2025-05-17 コメント投稿する ▼
都議選豊島区2025|家賃高騰と住宅政策をめぐる激戦、米倉春奈氏の訴えに注目
住宅政策が争点に浮上 豊島区都議選で高まる関心
東京都議会議員選挙が6月13日に告示、22日に投開票を迎える中、定数3の豊島区では、現職の米倉春奈氏(共産党)が4期目を目指し出馬する。これに対し、都民ファースト、公明、自民、再生の道の各候補が名乗りを上げ、5人による激戦が予想されている。
各陣営は早朝から駅頭に立ち、選挙カーやSNSを駆使して有権者との接点を広げる。なかでも自民党陣営の動きは早く、地域団体にも積極的に働きかけを行っているという。ある店舗経営者は「業界団体から今回は自民に投票してほしいと言われた」と話しており、組織力が強く働く選挙戦になりそうだ。
家賃の高さが深刻化 住環境に根強い不満
今回の都議選で特に注目されているのが、豊島区内の住宅事情だ。再開発の進む池袋周辺では家賃が高騰し、単身者の3割が国の定める最低居住水準を下回る狭い部屋に暮らしている。区の住宅白書でも、豊島区の家賃水準は都内で上位に位置しており、子育て世帯の多くが幼児期に区外へ引っ越しているという実態が浮かび上がっている。
公明党は、都が出資する住宅ファンドによって低価格の賃貸住宅を供給する計画を打ち出しているが、家賃の上限や供給戸数の詳細が不透明なままだ。この点について米倉氏は、都の住宅政策に対する具体的な疑問を都議会で繰り返し提起してきた。
「住まいは人権」 米倉氏が訴える政治の転換
米倉氏は、都心の大型開発と住宅の投機的利用が家賃高騰を招いたと分析し、「大企業優先の都市政策から、人を大事にする政治へ転換する時」と訴える。自身の政策チラシでは、家賃補助や減税、公的住宅の整備を軸に据え、生活に根ざした支援策をアピールしている。
「世界中で家賃高騰は社会問題になっています。私たちも都政のあり方を見直し、新自由主義的な都市開発から脱却すべきです」と語り、東京都議選をその転換点と捉えている。
現場に寄り添う議会活動 実績に裏打ちされた信頼
これまで米倉氏は、都立大学の授業料無償化や性暴力防止政策などを都議会で推進してきた。特に、痴漢防止対策に関しては、鉄道事業者や都の関係機関が取り組みを本格化させるきっかけを作った。
議会での提案は、党内でも「実現可能なのか」と疑問視されることもあったが、実際に当事者の声に耳を傾け、仲間と共に粘り強く行動することで実績を築いてきた。その姿勢が、地域住民や支持者の共感を呼び、政策実現への原動力となっている。
豊島区都議選は都政の未来を問う選挙に
– 定数3をめぐり、有力5候補がしのぎを削る豊島区の都議選
– 争点は家賃高騰と住宅政策、子育て世代の転出も問題に
– 米倉氏は「住まいは人権」として都政の構造改革を提案
– 過去の実績と政策力が、現職としての強みとなっている
住宅をめぐる現実的な課題に、誰がどう向き合い、どんな未来を描くのか。豊島区の有権者がその一票で示す選択は、都政の今後にも大きな影響を与えることになりそうだ。