2025-05-28 コメント投稿する ▼
三原じゅん子こども相が「日本駆け込み寺」に言及 元幹部の薬物事件受け監督強化へ
「日本駆け込み寺」元幹部の薬物事件で揺らぐ信頼 三原じゅん子こども相が監督強化に言及
若者の自立支援などを目的に活動している公益社団法人「日本駆け込み寺」で、当時の事務局長だった田中芳秀容疑者(44)が麻薬取締法違反(コカイン所持)の疑いで警視庁に逮捕された。この事件は支援団体の信頼性を大きく揺るがすもので、同法人の運営や支援体制にも深刻な影響を及ぼしている。
事件の経緯と田中容疑者の行動
事件が発覚したのは5月18日夕方。新宿区大久保の路上で、田中容疑者がコカイン入りの小袋を所持していたとして現行犯逮捕された。同行していた20代女性も薬物使用の疑いで逮捕されており、両者の関係性についても捜査が進められている。
田中容疑者は警察の調べに対し、「外国人から2万円でコカインを購入し、自宅で使用した」と供述している。また、相談者の女性に対し「オーバードーズするぐらいなら薬物の方がましだ」と持ちかけていたともされ、支援者としての立場を逸脱した行動に批判が集まっている。
三原じゅん子こども相「必要な措置講じる」
28日の衆院内閣委員会で、こども政策担当相の三原じゅん子氏は「非常に遺憾」と述べ、内閣府として公益法人認定法に基づく監督措置を講じる考えを明らかにした。
三原氏は「悩みを抱える方々を支援する公益法人で、こうした事件が発生したことは極めて遺憾。報告徴収や勧告、認定取り消しも含め、必要な対応を取っていきたい」と述べた。質疑では無所属の緒方林太郎議員が「公的支援の適正性を見直すべきだ」と指摘し、議論は団体の制度的監督にも及んだ。
助成金停止で運営は危機的状況
田中容疑者の逮捕を受けて、東京都や新宿区は同法人への助成金支給を停止。運営資金の多くを公的資金に頼っていた同法人では、活動の継続が難しくなっている。共同代表の清水葵氏は「今のままではあと1カ月ほどしかもたない」と語り、子ども食堂などの活動も停止を余儀なくされている。
寄付企業からの返金要求や、SNS上での中傷も相次ぎ、支援の現場にまで波紋が広がっている。一連の騒動が他の職員や相談者に及ぼす悪影響も懸念されており、早期の信頼回復が急務だ。
ネットの声:同情と批判が交錯
SNSでは事件を受け、多くの意見が飛び交っている。
「せっかくの支援団体がこんな形で信用を失うのは残念すぎる」
「田中氏は断罪されて当然だが、他の職員や相談者が巻き添えになるのは気の毒」
「駆け込み寺の活動自体は評価していた。このまま終わらせるのはもったいない」
「公益法人なら内部のガバナンス体制をもっと強化すべき」
「三原大臣の対応は的確。次の一手も注視したい」
支援体制の信頼回復へ
今回の事件は、公益法人が抱えるガバナンスの脆弱さを浮き彫りにした。支援が必要な若者にとって駆け込み寺の存在は貴重であり、活動そのものを否定するのではなく、信頼の再構築と制度的な整備が不可欠である。政府と自治体には、支援団体への監督強化とともに、継続的な支援体制の見直しが求められている。