2025-04-16 コメント投稿する ▼
裏金問題、都議会で再燃 共産・白石氏が全議員招致を要求 小宮都議は資料提出拒否も
都議会裏金問題、全容解明なるか 共産・白石氏が全議員の招致求める
東京都議会の政治倫理条例検討委員会で16日、裏金問題の渦中にいる自民党の小宮安里都議が参考人として招致された。都議会自民党による政治資金の不記載が次々と明るみに出るなか、共産党の白石たみお都議は「事実を解明するには関係する議員全員を呼ぶしかない」として、追加の招致を強く求めた。
「ノルマ超え分は裏金に」小宮氏が証言
裏金問題は、「しんぶん赤旗」と共産党都議団の調査で明らかになった。小宮氏は2019年と2022年の政治資金パーティーで、計250万円の収入を政治資金収支報告書に記載していなかった。2022年5月のパーティー開催当時、小宮氏は都議会自民党の幹事長を務めていた。
小宮氏は委員会で「議員には販売ノルマがあり、ノルマを超えた分は各自で管理し、政治活動に使ってきた」と説明。ただ、その裏金化がいつから始まり、誰の指示だったのかを問われると、「確認できなかった」と歯切れが悪かった。
現金の管理方法については「私自身はその都度政党支部の口座に入金していた。他の議員も支部や後援会で管理していたと聞いている」と語ったが、裏付けとなる資料の提出は「控える」と拒否した。
説明と現実にズレ 「交通費に使った」発言に疑問も
問題の根深さを浮き彫りにしたのは、別の都議の発言との矛盾だった。白石氏は、最高額となる332万円の裏金があった三宅正彦都議が「ほとんど交通費に使った」と説明したにもかかわらず、収支報告書の訂正ではその全額を「繰越金」として処理していた点を追及。これについて小宮氏は「本人に確認しないと軽々しく言えない」とし、曖昧な回答に終始した。
また、小宮氏は「パーティー券200万円分を渡し、100万円分だけ納入させる仕組みは過去からの慣例だった」と認めたが、その理由や引き継ぎの経緯は不明と述べた。「議員によって券の扱い方が違う」とも話し、組織としての統一的なルールがなかった実態も見えてきた。
共産党が全員招致を要請 都民の信頼回復へ課題
白石氏は「管理方法が議員によって異なるのなら、全員に聞かないと実態は見えてこない」として、自民党の裏金関与議員全員の招致を求めた。共産、立憲、ミライ会議の3会派はすでに招致を求めているが、自民、公明、都民ファーストはこれに反対。今のところ、小宮氏と鈴木章浩氏の2人しか委員会に呼ばれていない。
裏金問題をめぐっては、神戸学院大学の上脇博之教授が自民党都議ら10人を政治資金規正法違反で東京地検に告発。収支報告書の訂正が虚偽である可能性があると指摘している。
都議会の対応には、透明性の欠如との批判も高まっており、都民の信頼を取り戻すには、関係議員全員の説明責任が不可欠だ。今後、都議会がどこまで問題の全容に迫れるのか、注目が集まっている。