2025-05-26 コメント投稿する ▼
「能動的サイバー防御」で通信の秘密は守られるのか?政府が透明性確保へリーフレット公表
政府、能動的サイバー防御の導入に向けリーフレット公開 “通信の秘密”への懸念払拭を狙う
政府は今月成立した「能動的サイバー防御」に関する法律の施行に伴い、その仕組みや意図を説明するリーフレットを作成し、内閣官房のホームページで公開した。この制度は、増加するサイバー攻撃に迅速かつ的確に対応するため、政府が通信事業者と協力し、攻撃の兆候を含む情報を取得して先回りの防御を可能にするものだ。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cyber_anzen_hosyo_torikumi/pdf/shin_cyber_leaflet.pdf
しかし一部では、「政府が個人の通信をのぞき見るのではないか」といった不安の声が上がっていた。政府はそうした懸念を払拭するため、情報取得の対象をIPアドレスや指令データなどの“機械的なデータ”に限定しており、通話内容やメール本文に踏み込むことはないと強調している。
通信の秘密とプライバシー保護への配慮
リーフレットでは、「通信の秘密」は憲法で保障される重要な権利であり、それを尊重した設計であると明記している。政府が収集するのは、あくまで通信の“外側”にあるデータで、内容には触れない。加えて、第三者機関がこの仕組みの運用を監督し、恣意的な情報取得が行われないようにする体制も整えられる見通しだ。
平将明デジタル大臣も、「誤解をなくすために、丁寧に説明していく」と述べ、制度が悪用されないための仕組みがあることをアピールしている。
国民との信頼構築へ、透明性がカギ
この制度が真に機能するには、政府がどれだけ透明性を持って国民に説明できるかが鍵となる。サイバー攻撃のリスクが高まる中、迅速な対応は不可欠だが、その一方でプライバシー権を軽視することはできない。
制度の実効性と、プライバシーの尊重が両立してこそ、国民からの信頼を得ることができる。今後、リーフレットの配布や説明会など、具体的な広報活動も検討されている。
ネットユーザーの反応は賛否両論
SNS上では、制度に対する不安や疑問が多く寄せられている。特に「通信の秘密」に対する懸念が根強く、一部では政府の説明に納得できないという声もある。
「“見ない”って言っても、本当に見てないかなんてわからない」
「IPだけじゃなくて、いずれ内容まで踏み込むんじゃないの?」
「サイバー攻撃対策は必要。でも運用には絶対的な透明性がほしい」
「政府が勝手に動かないように、独立機関の存在は重要」
「もっと一般の人にも分かる説明が必要だと思う」
今後の課題と展望
能動的サイバー防御は、サイバー戦の様相を呈する国際情勢の中で、日本の防御力を底上げするための制度として期待される。一方で、国民の理解と協力を得るには、単なる法整備だけでは不十分だ。
制度の運用状況を定期的に公表し、問題があれば迅速に改善するという柔軟性と誠実さが求められる。政府が「信頼される防御」を築けるかどうかは、今後の対応にかかっている。