2025-06-27 コメント投稿する ▼
中国軍代表団が7月の来日を見送り 海自の台湾海峡通過に反発か 軍事交流に影響
中国軍代表団、7月の来日を見送り
自衛隊の台湾海峡通過に反発か 軍事交流に影響広がる可能性
「都合がつかない」として代表団の来日中止
中国人民解放軍の佐官級幹部による来日が見送られることが27日、明らかになった。これは、自衛隊と中国軍の中堅幹部同士の交流事業の一環として、7月に予定されていた訪問だったが、中国側から「都合がつかない」として来日を見合わせる方針が日本政府に伝えられていたという。
この交流は、防衛省と中国軍の信頼醸成を目的としたもので、訪日予定だった中国代表団は、防衛省幹部への表敬や、自衛隊の陸・海・空それぞれの施設視察などを計画していた。しかし、最近の日本の防衛行動に対する中国の不満が影を落としたと見られる。
「“都合がつかない”は外交の定型句。実質的には抗議だろう」
「日本の正当な航行に文句つけて来日中止って、子どもじみてる」
「軍同士の信頼構築を自ら壊してどうするのか」
「また中国の“政治的メッセージ外交”か」
「訪日して議論すればいいだけの話なのに」
台湾海峡通過や戦闘機接近が背景か
来日見送りの背景には、日中間の安全保障を巡る緊張の高まりがあるとされる。特に注目されているのは、海上自衛隊の護衛艦が今月、台湾海峡を通過した件だ。国際法上は公海であり、自由航行が保障された海域だが、中国側はこれを「挑発的行為」と捉えて強く反発している。
加えて、今月上旬には中国軍の戦闘機が太平洋上空で自衛隊機に異常接近するという危険な行動も確認されており、日本側はこれに対して「極めて危険」として抗議を表明していた。こうした一連の事案が、中国代表団の訪日見送りに直接的に影響した可能性が高いと、防衛関係者は見ている。
防衛省幹部は「単なるスケジュール上の問題とは思えない。軍事的な緊張や相互不信が反映された判断だ」と述べており、今後の日中軍事交流の在り方そのものが問われる局面に入った。
交流事業は2001年から継続 信頼構築の場に暗雲
日中の佐官級軍人の相互訪問は、2001年にスタートした事業で、笹川平和財団と中国国際戦略学会という民間系の窓口が主導してきた。これまでに日本の自衛隊幹部が中国の軍事施設を訪問したり、両国の将来の軍指導層が意見を交わす場として機能してきた。
昨年11~12月には日本の代表団が訪中し、人民解放軍の関連施設などを視察するなど、一定の関係維持は続けられていた。だが、今回の来日中止により、軍同士の信頼醸成の土台が揺らぐ懸念も出てきている。
特に中国は、対外的には「交流の継続」を掲げながらも、外交・軍事的な圧力を加える際にはこのような事業を停止するという“二重姿勢”を取ることが少なくない。こうしたスタンスが続けば、信頼構築という目的そのものが形骸化する恐れがある。
対話拒否では信頼は生まれない
今回の訪日見送りは、日中間の軍事交流における信頼低下の象徴ともいえる。日中両国は経済的な結びつきが強い一方、安全保障では激しく対立する構造にあり、軍同士の冷却化が続けば、予期せぬ事故や衝突のリスクも高まる。
特に日本としては、周辺の海空域での中国の圧力行動にどう向き合うかが問われる局面であり、「対話の継続」と「毅然とした対応」の両立がこれまで以上に重要になっている。
来日を拒否することで中国側が得るものは少なく、むしろ「話し合いの場から逃げた」と国際的に受け止められる可能性もある。地域の安定と信頼構築のために、両国の軍事交流は感情や政治圧力に左右されるべきではないはずだ。