2025-06-12 コメント投稿する ▼
中国戦闘機が海自機に異常接近 吉田統幕長「警戒を緩めれば助長」 抑止力の堅持を明言
中国戦闘機が海自機に異常接近 太平洋上で緊張高まる
中国海軍の空母「山東」から発艦した艦載戦闘機J15が、太平洋上空で警戒監視中の海上自衛隊のP3C哨戒機に異常接近していた問題で、防衛省は12日、詳細な情報を公表した。7日と8日の2日間にわたって、中国軍機は日本の哨戒機に約45メートルという至近距離まで近づき、8日には約900メートル前方を横切るという危険な飛行も確認された。
このような近接飛行は、わずかな誤動作や判断ミスが大規模な衝突や外交的緊張に発展しかねない重大事案であり、防衛省は中国政府に対し厳重に抗議し、再発防止を申し入れたと発表した。
今回のような事案が公表されるのは2014年以来であり、海域の軍事的緊張が新たな局面を迎えていることを示唆している。
吉田統幕長「故意と認識」 抑止力の堅持を明言
12日の記者会見で、防衛省の制服組トップである吉田圭秀統合幕僚長は、今回の接近行動について「偶発的な衝突を誘発する可能性があり、深刻に懸念している」と語り、中国側の意図的な挑発であるとの認識を明確に示した。
「(接近は)故意と認識している。こちらの警戒監視を緩めれば、相手を助長してしまう」と警戒を強める必要性を訴え、「我が国として、抑止の意志と能力を堅持していく」と強調。単なる抗議にとどまらず、継続的な監視体制と現場での即応力を高める姿勢を明らかにした。
防衛省関係者の間では、中国軍が「実戦を想定した示威行動」を繰り返しているとの見方が広がっており、海自や空自の活動エリアにおける圧力が今後さらに強まる可能性もあると警戒している。
偶発的衝突のリスクと「既成事実化」への懸念
今回のような接近飛行の本質的な問題は、偶発的な接触事故が軍事衝突の引き金となりかねないことにある。同時に、中国側の狙いが「空母の活動範囲を常態化させ、日本にとっての防衛ラインをじわじわと押し下げる」ことにあるとする見方も根強い。
これは、いわゆる「グレーゾーン事態」と呼ばれる戦争と平時の狭間での挑発行為の典型であり、明確な反撃が困難である一方、対応を誤れば主権侵害を黙認することにもなりかねない。今回の中国戦闘機の行動も、日本の監視体制の限界を試す意図があるとみられる。
このような挑発に対し、日本側が一歩でも退けば、「空母の太平洋展開」や「日本周辺での監視活動」そのものを常態化させる既成事実となる恐れがある。まさに吉田統幕長の言う「警戒を緩めれば、相手を助長する」という言葉は、事態の本質を突いた発言といえる。
日本の主権と抑止力を示す時
わが国は、尖閣諸島周辺や南西諸島での中国の侵入行動に加え、今回のような空母艦載機による示威行為にまで直面している。これは、もはや「外交で解決すべき問題」といった域を超え、国家主権と国民の安全を守る防衛体制の真価が問われる段階にある。
今こそ、日本は憲法改正を含めた抜本的な安全保障体制の強化とともに、領空・領海の警戒監視活動を拡充すべきである。中国の軍事的拡張と直接向き合う以上、現場の自衛官の任務と負担を過小評価してはならない。
そして、単なる抗議で終わらせず、自衛権に基づいた明確な対応と抑止力の行使によって、侵略の芽を摘む意思を世界に示す必要がある。安全保障において「慎重すぎること」は、ときに取り返しのつかない結果を招く。
ネット上の反応
45メートルって異常だろ。撃墜されても文句言えないレベル。
吉田統幕長の言うとおり、緩めたら負けだ。毅然と対応してほしい。
空母からの発艦までさせてるって、もう実戦を意識してるだろ。
日本はスパイ防止法もなく、軍事にも中途半端。抑止力になってない。
警戒だけで済ませるな。何かあってからじゃ遅い。