2025-06-12 コメント: 1件 ▼
中谷防衛相「中国機の異常接近に厳重申し入れ」 偶発衝突のリスクに懸念、再発防止を要求
中国軍機の異常接近に再発防止を要請 中谷防衛相が衆院委で厳重抗議を明言
中国軍の戦闘機が自衛隊の哨戒機に異常接近した問題で、中谷元防衛相は6月12日の衆議院安全保障委員会で、「深刻な懸念を表明し、再発防止を厳重に申し入れた」と明言した。中谷氏は、防衛省として外交ルートを通じて正式な抗議を行ったと説明。今後も引き続き警戒監視体制を強化し、現場の安全確保に万全を期す考えを示した。
今回の接近事案は、日中間の軍事的緊張が高まりつつある太平洋上空で発生。日本の排他的経済水域(EEZ)内において、中国側の軍用機が海上自衛隊P-3C哨戒機に対し、異常に近い距離で接近飛行を行った。距離は約45メートルという極めて危険な間合いであり、防衛省は「偶発的な衝突の恐れがある極めて危険な行為」と断じている。
「偶発的衝突のリスク」 日中間の危機管理に課題
中谷防衛相は委員会で、
「今回の行為は自衛隊の通常の警戒監視活動中に発生したものであり、決して挑発的な行動ではなかった」
「偶発的な軍事衝突を誘発しかねない危険な行動であり、外交ルートを通じて中国側に対し再発防止を厳重に申し入れた」
「引き続き、わが国周辺の警戒監視に万全を期す」
と述べた。実際、海空での近接行動は両国の軍事的信頼関係の脆弱さを浮き彫りにしており、万一の接触や事故がエスカレーションを招くリスクが高まっている。
中国側の意図については明言を避けたが、近年の中国海軍および空軍の活動範囲が日本周辺海域や西太平洋まで拡大している現実を踏まえ、防衛省内では「計画的な威圧行動」との見方が強い。
自衛隊の対応は「正当な任務」 現場の緊張高まる中での冷静対応に評価も
自衛隊のP-3C哨戒機は、太平洋上で日常的に行われている警戒監視任務の一環として飛行していたものであり、日本の領空やEEZ内における正当な行動だった。これに対して中国側が異常接近を行ったことで、現場の自衛官には極度の緊張と危険が及んだ。
防衛省関係者は、「もしわずかに接触が起これば、外交危機では済まなかった可能性もある」と語っており、冷静に対応した乗員の判断力にも注目が集まっている。
一方、中国側はこれまでのところ、日本の主張に対する正式な謝罪や再発防止策を示しておらず、今後の対応が注目される。
SNS上では、今回の政府対応に対して次のような声が上がっている。
「遺憾砲だけじゃ足りない。明確な制裁措置を検討すべき」
「中国が事故を誘発しておいて、謝罪もなし? 甘すぎる対応だ」
「45メートルなんて異常だろ。これで何も起こらなかったのが奇跡」
「日本のEEZ内なのに、なぜこちらが気を遣うのか」
「戦争にはならなくてよかったが、こんな挑発行為を放置していいのか」
国際社会との連携と危機回避の仕組みづくりが急務
中国との偶発的軍事衝突を防ぐためには、日中間でのホットラインや緊急通報体制の運用強化が不可欠である。現在も日中防衛当局間での「海空連絡メカニズム」は存在するが、その実効性には課題が多いとされる。
防衛省関係者は、「表向きの対話では限界がある。行動規範と抑止力の両輪が必要だ」と語る。今後、日本は米国や豪州などと連携しつつ、西太平洋地域での軍事的安定と抑止を維持していく戦略的姿勢が求められる。
今回の事案は、中国の軍事活動が「勢力圏拡張」の段階に入っていることを象徴している。単なる外交辞令にとどまらず、再発防止の実効性を伴う措置が取られなければ、日本周辺の安全保障環境はさらに厳しさを増すだろう。