2025-04-18 コメント投稿する ▼
【1.9兆円でも「妥当」?】イージス艦2隻にかかる40年コストを防衛省が初公表 中谷防衛相が正当性を主張
イージス艦2隻に1.9兆円 防衛省が試算公表 中谷防衛相「コストは妥当」
防衛省は18日、今後導入するイージス・システム搭載艦2隻について、今後40年間にかかる総経費が約1兆9416億円にのぼるとの試算を公表した。これについて中谷元防衛相は「他の艦艇との比較でも、妥当な水準だと考えている」と述べた。
総経費の中身は?
今回明らかになった試算は、以下の5つのフェーズの費用を合計したものだ。
- 初期の構想・設計
- 研究・開発
- 建造・配備
- 実際の運用と維持整備
- 廃棄・解体
中でも最も大きな支出は、運用や修理、燃料費などの維持費で、総額はおよそ1兆700億円にのぼる。建造費用は約7800億円とされている。
アショア断念から艦船型へ
この2隻の導入は、かつて政府が導入を目指していた地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の代替策だ。2020年、アショアは安全面などの理由で断念され、その代わりとして海上運用型のイージス艦が採用された経緯がある。
すでに1番艦は三菱重工、2番艦はジャパン・マリンユナイテッドとの契約がそれぞれ2024年に結ばれており、就役は1隻目が2027年度、2隻目が2028年度を予定している。
搭載される最新装備
この新型艦には、米ロッキード・マーティン製の最新レーダー「AN/SPY-7」が搭載される予定で、SM-3やSM-6などの迎撃ミサイルにも対応。さらに将来的には、国産の長射程地対艦ミサイルやレーザー兵器の搭載も視野に入れているという。
カバー範囲と人員の課題
ただし、課題も残る。2隻だけで日本全域を常時カバーするのは難しく、継続的な警戒態勢の維持には限界があるとの指摘もある。また、新型艦には600人規模の乗組員が必要とされ、人材確保や訓練体制の整備も急務だ。
今後の焦点は
防衛省は、周辺国のミサイル能力向上に対応するためには、こうした新たな防空能力の整備が不可欠と強調する。とはいえ、巨額の予算投入に対しては国民の目も厳しく、今後はコストと安全保障効果のバランスが問われることになりそうだ。