2025-05-27 コメント投稿する ▼
75歳以上の高齢者に飲料無償配布へ|品川区の熱中症対策が全国から注目集める理由
品川区、75歳以上の高齢者に飲料無償配布 命守る熱中症対策を強化
東京都品川区が、今夏の猛暑を見据えた高齢者支援策として注目を集めている。区は27日、75歳以上の高齢者がいるすべての世帯を対象に、飲料を無料で配布するための補正予算案を区議会で可決した。配布の際には住環境や健康状態を確認し、支援が必要な世帯を見極める狙いもある。
対象は3万世帯超 飲料は2回に分けて届ける
配布対象となるのは、75歳以上の高齢者が暮らす約3万6600世帯。品川区は飲料として、500ミリリットルサイズの水や麦茶など24本(約4,000円相当)を、夏の時期に2回に分けて各家庭へ届ける。配送は委託業者が担当し、必ず玄関先で直接手渡す方式が採用される。これは、置き配による安否不明や未受取のリスクを避けるためだ。
安否確認と生活状況の把握も目的
単なる飲料配布にとどまらず、配達時にはエアコンの使用状況や室内の換気の有無についても確認される。併せて、健康状態や生活状況を問うアンケートを実施し、区が独自に生活支援策を検討する材料とする。
区の担当者は「高齢者の熱中症は自宅で発症するケースが多い。命にかかわるリスクを減らすには、住まいの環境や生活実態を直接把握することが重要」と語っている。また、物価上昇による生活費の圧迫が懸念される中、飲料費の負担軽減も支援のひとつとなる。
全国の自治体に広がるか?先進的なモデルケース
熱中症対策として自治体が飲料を直接支給する例は全国的にも珍しく、品川区のこの施策は、今後の高齢者福祉モデルとして注目されている。区はかねてより、乳児のいる世帯へのおむつ支援や、子育て家庭への訪問サービスなど、「アウトリーチ型支援」に力を入れており、今回の高齢者施策もその一環といえる。
厚生労働省の統計によると、2023年の熱中症による死者数は1,651人。そのうち約7割が75歳以上の高齢者だった。命を守る対策として、エアコンの使用を推奨しても「電気代が気になる」と控える高齢者も少なくない。そうした層に直接手を差し伸べる今回の取り組みは、早期発見・早期支援につながる実効性の高い方策だと評価されている。
SNS上の声 「全国に広がってほしい」の声も
この施策について、SNS上では多くの反響が寄せられている。
「こういう支援こそ本当に必要な政策だと思う」
「品川区すごい。うちの自治体でもやってほしい」
「直接届けることで見守りにもなるのがいいね」
「エアコンの使い方まで聞いてくれるのありがたい」
「高齢者に優しい行政、素直に称賛したい」
全国的に猛暑の影響が懸念される中、品川区の積極的な姿勢は他の自治体にとっても大きなヒントとなるだろう。今後、この取り組みが全国へ波及するか注目が集まる。