2025-04-23 コメント投稿する ▼
風邪も「5類感染症」に 生活はどう変わる?厚労省「就業・登校制限なし」も現場は困惑
風邪も「5類」に 生活への影響は?
4月から、いわゆる「風邪」も感染症法上の「5類感染症」に加えられた。新型コロナウイルスやインフルエンザと同じ分類になったことで、全国約3000の医療機関が毎週、患者数を報告する仕組みに移行している。これにより何が変わるのか、SNS上ではさまざまな声が上がっている。
「風邪も5類? じゃあ5日間休まないといけないの?」といった不安の声もあるが、厚生労働省は「生活に大きな影響はない」と説明している。
5類への移行は「備え」の一環
今回新たに5類に分類されたのは、鼻炎や咽頭炎、中耳炎といった症状も含む「急性呼吸器感染症」。もちろん、インフルエンザや新型コロナ、百日ぜきなども含まれる。
厚労省は、これらの感染症の動向を正確に把握し、次のパンデミックに備えるための措置だと説明する。過去の新型コロナの経験から、「早く気づく」ことの重要性が改めて認識された。
国際医療福祉大学の松本哲哉教授も「風邪を5類に入れたのは、流行の兆しを逃さないようにするため」と話している。
「風邪=5類」でも、生活は今まで通り
厚労省は「5類に変わったからといって、就業制限や登校制限があるわけではない」と強調している。風邪をひいても、今まで通り「つらければ病院へ」「軽ければ市販薬で様子見」で問題ない。
実際、4月7日からの1週間で報告された患者数は約18万1270人。1医療機関あたり約49人という数字だ。春先で患者は減ってくる時期だが、「それでも思ったより多いな」という印象だという。
医療現場の負担も課題に
一方で、医療機関では新たな事務作業が増えている。これまで「風邪=届け出不要」だったが、5類化により毎週の報告が求められるようになったからだ。
松本教授は、「社会全体の感染動向をつかむために報告する意義はあるが、現場の負担を軽減する工夫も必要」と話す。デジタル化や報告の簡素化などが今後の課題だ。
今後に向けて
いまのところ私たちの生活には大きな変化はない。けれど、こうした体制の整備は、未知の感染症に備える意味で重要なステップでもある。
「風邪も5類」と聞くと驚くかもしれないが、あくまで“早く気づくための仕組み”ができたと受け止めるのがよさそうだ。医療現場への支援と並行して、この制度がどう活用されていくのか、今後も注目していきたい。