2025-04-17 コメント投稿する ▼
自衛隊が“民間人犠牲の想定訓練” 山添議員が政府追及「憲法上、到底認められない」
山添議員が取り上げたのは、「しんぶん赤旗」日曜版が報じた防衛省の内部資料。2023年度から自衛隊の幹部が、米国の軍事教育機関で「統合ターゲティング」について学んでいるという。
提示された資料には、「付随的損害見積(Collateral Damage Estimation)」という項目が含まれていた。これは軍事攻撃によって巻き添えとなる民間人の死傷や建物被害などを事前に見積もる手法を指す。防衛省の大和太郎防衛政策局長はこの点について「反撃能力行使に関係がある教育」と認めた。
さらに山添氏が「この見積もりには住宅や学校、商店といった施設に暮らす人口データが使われ、攻撃前に民間人の犠牲者数を算出している」と指摘したところ、人事教育局の青木健至局長は、自衛隊の訓練にも「入っている」と明言した。
山添氏は、米軍では犠牲者数が事前に設定された上限値を下回っていれば、大統領や国防長官の許可を得ずに攻撃が実行される仕組みになっていると説明。「この上限値は実質的な“殺害許可証”と呼ばれている」と述べ、イラク戦争時に米軍がサダム・フセイン氏への攻撃で「30人まで」と設定したケースを例に挙げた。
自衛隊も同様の上限値を設けるのかと詰め寄られた中谷元・防衛副大臣は、「現在は学んでいる段階」と述べたうえで、「運用としてはあくまで軍事目標に限定する」と釈明にとどまった。
しかし山添氏は、「そもそも民間人に被害が出ることを前提に、人数まで事前に算出する教育を受けている時点で問題だ」と批判。「日本の自衛隊が、民間人の犠牲もやむなしとする米軍型の軍隊に変質しようとしている。これは憲法上、到底認められるものではない」と強く訴えた。
- 自衛隊幹部が米国の軍事教育で「敵基地攻撃」に関する訓練を受講
- 教育には「民間人の被害想定」を数値で見積もる訓練が含まれる
- 防衛省は教育内容にその手法が含まれていることを認める
- 山添氏は「実質的な殺害許可証」との指摘
- 政府側は「軍事目標に限定する」と説明するも、歯切れの悪さが目立つ
国民の命と安全を守るはずの自衛隊が、民間人犠牲を前提にした作戦の訓練を受けているという事実に、波紋が広がりそうだ。