2025-03-24 コメント投稿する ▼
「軍事の町に戻るのか」 呉の防衛拠点整備に市民と議員が懸念の声
計画の概要と予算の行方
- 計画地は日本製鉄呉製鉄所の跡地、広さは約130ヘクタール。
- 防衛省は2025年度予算案に約5億円の調査費を盛り込んだ。
- 将来的な整備費用の総額は未定で、防衛省は「現時点で示す段階にない」としている。
山添氏は、防衛費の上限として政府が示している「5年間で43兆円」の枠組みに収まるのかと質問。これに対し、防衛省の青柳肇・整備計画局長は「すべてが枠内というわけではないが、一部はそこに含まれる」と答え、あいまいな説明に終始した。
住民不在の計画進行に批判
- 山添氏は「地元への説明がまったく足りていない」と批判。
- 「官民共同の軍事拠点整備は前例がない。住民にしっかりと説明すべきだ」と訴えた。
これに対し中谷元・元防衛相は「自治体の意向も確認しながら進めていく」と答弁。一方で、艦艇の修理やメンテナンスの拠点が必要だとして、自衛隊のみならず「米軍艦艇の修理や製造についても今後協議していく」と述べ、日米の防衛連携を視野に入れていることを明らかにした。
民間活用との選択――どちらが地域にとって望ましいか
- 山添氏は、呉市や広島県が民間の産業拠点としての活用を模索してきた経緯を紹介。
- 「民間企業の誘致による雇用創出や税収の増加こそが、地域の福祉を支える道だ」と主張した。
また、終戦間際の1945年7月、呉市が空襲によって多くの命を失った過去に触れ、「軍事施設があるから狙われる――そう語り継がれてきた。再びそうした状況を招いてはならない」と語気を強めた。
地元の声と今後の行方
呉市は旧軍港として栄えた一方で、戦後は平和都市として再出発してきた。市民の間には「もう軍事の町には戻りたくない」という声も根強い。防衛省による説明や地元との対話はまだ不十分であり、今後、計画をどう進めるのかが大きな焦点となっている。
- 防衛省は呉市の製鉄所跡地に「多機能な複合的防衛拠点」の整備を計画。
- 2025年度予算案に調査費約5億円を計上、総額は未定。
- 山添拓議員は「平和都市の歴史に逆行」として白紙撤回を要求。
- 米軍艦艇の修理・製造拠点としての活用も視野に。
- 地元への説明不足が課題、住民不在のまま議論が進むことに懸念。
- 民間利用による雇用創出と税収増加の可能性も指摘。
- 戦時中の空襲被害を踏まえ、「軍事施設は再び標的になる」との声も。