2025-05-28 コメント投稿する ▼
外部指導者の不適切行為を排除へ 中学校部活動改革で国が認定制度導入を検討
不適切な外部指導者を排除へ 中学校部活動改革が本格化
公立中学校の部活動改革が加速する中、スポーツ庁は暴力やハラスメント行為を行った外部指導者の排除に向けた制度づくりを進めている。従来、部活動は教員が中心となって指導を行ってきたが、近年は教員の業務負担軽減や専門性向上の観点から、地域クラブや民間人材による指導の導入が広がっている。
ただし、外部指導者の関与が進むことで「生徒の安全をいかに確保するか」が大きな課題となっている。そうした中で、一定の基準を満たした地域クラブのみを活動の受け皿とする「認定制度」の導入が議論されている。問題行為を起こした人物が再び子どもたちと接することのないよう、制度面からの歯止めが求められている。
認定制度を軸にクラブの質を担保
今月開催された有識者会議では、スポーツ庁と文化庁が共同で、「指導者の資質担保のために国が関与する必要がある」との提言を取りまとめた。クラブの構成、指導実績、指導者の研修歴などを評価軸とし、適切なクラブを国が認定する制度の創設が柱となる。
この制度の導入によって、問題のある指導者の介入を防ぎ、保護者や生徒が安心して部活動に参加できる環境を整えることが狙いだ。現在、制度設計は専門家を交えて本格的に進められており、8月をめどに公表される見通しである。
文部科学大臣の阿部俊子氏も、27日の会見で「不適切な指導が二度と起こらぬよう制度を徹底させる」と表明しており、国の姿勢としても明確な排除方針が示された形だ。
地方や現場の課題も
しかしながら、制度導入には懸念の声も少なくない。都市部に比べて指導者が圧倒的に不足している地方では、要件を満たすクラブが見つからない可能性がある。また、認定を受けるための手続きや基準が複雑すぎれば、良質な指導者の活動機会が狭まるとの指摘も出ている。
実効性を持たせるためには、単に「排除する仕組み」だけでなく、「育成・支援の仕組み」も併せて整備していく必要がある。現場の声を丁寧に拾い、柔軟で実用的な制度設計が求められている。
SNSでの反応
この制度案に対して、SNS上でも活発な意見が飛び交っている。
「暴力やハラスメントは絶対に許されない。制度化は必要だと思う」
「でも田舎の中学校では外部指導者の確保すら難しい。理想と現実のギャップがある」
「認定制度って形だけにならないようにしてほしい。定期的な見直しも必須」
「子どもを守るために、指導者の透明性を高めてほしい」
「排除も大事だけど、良い指導者を増やす工夫も必要」
今後の課題と展望
制度導入が生徒の安全と健全な成長に直結する一方で、現場への影響や実行可能性にも目を向けなければならない。真に生徒を守る制度とするためには、「誰を排除するか」だけでなく、「誰を育て、どう支援するか」に焦点を当てた議論が求められている。
制度の行方は、学校教育だけでなく地域社会の在り方にも大きく影響を与える。子どもたちの未来を守るため、今こそ大人たちの責任が問われている。