2025-11-10 コメント投稿する ▼
国民民主党大阪が副首都構想で特別自治市を提案、足立康史氏が大阪都構想の対案議論を主導
自民党と日本維新の会が来年の通常国会での法案成立を目指している副首都構想について、国民民主党は政令指定都市の権限を大幅に拡張し、道府県から独立させる「特別自治市(特別市)」を要件として提示する方針を固めました。 日本維新の会が推進する副首都構想では、政令指定都市を廃止し特別区を設置することを要件の一つとしており、これは大阪都構想の実現が前提となっています。
国民民主党大阪府連が副首都構想の新たな対案を打ち出しました。自民党と日本維新の会が来年の通常国会での法案成立を目指している副首都構想について、国民民主党は政令指定都市の権限を大幅に拡張し、道府県から独立させる「特別自治市(特別市)」を要件として提示する方針を固めました。これは、維新が前提とする大阪都構想の対案として位置付けられ、有権者に異なる選択肢を示す狙いがあります。
国民民主党が独自路線を打ち出し
国民民主党大阪府連は2025年11月10日、大都市制度の在り方を議論する研究会の初会合を開催しました。この会合では、現在の政令指定都市制度を廃止するのではなく、むしろ権限を拡張して「特別自治市」として道府県から独立させる制度を副首都の要件にする方針が確認されました。
この議論を主導しているのは、国民民主党の地方制度調査会会長を務める足立康史参議院議員です。足立氏は元日本維新の会所属で、かつて国会議員団政調会長を務めていた経歴があります。2025年7月の参議院選挙では国民民主党から比例代表で当選を果たしており、維新時代の経験を活かして大都市制度改革に取り組んでいます。
足立氏は会合後の取材に対し「政令市を継続するか廃止するかという極端で一方的な選択肢しかない。新しい案を有権者に分かりやすく提示する」と述べました。これまで2回の住民投票でいずれも否決された大阪都構想について、「大阪の有権者の理解は到底得られていない」と指摘し、現実的な対案の必要性を強調しました。
特別自治市と大阪都構想の根本的違い
特別自治市構想と大阪都構想は、大都市制度改革という目標は共通していますが、アプローチが根本的に異なります。日本維新の会が推進する副首都構想では、政令指定都市を廃止し特別区を設置することを要件の一つとしており、これは大阪都構想の実現が前提となっています。
一方、国民民主党が提唱する特別自治市は、現在の政令指定都市を基盤として権限と財源を大幅に拡張する制度です。具体的には、道府県が担っている業務のほとんどを市が一元的に処理し、県税を市税に移管することで、事実上道府県から独立した一層制の地方自治体として機能させる構想です。
「特別市になれば手続きが一本化されて本当に便利になりそう」
「大阪都構想は2回も否決されたのに、まだやるの?」
「市民の声をもっと聞いてほしい。制度変更は慎重に」
「副首都は大阪ありきじゃなくて、他の選択肢も考えるべき」
「政治家の都合じゃなくて、本当に市民のためになるのかが重要」
副首都構想を巡る政治状況
副首都構想は、自民党と日本維新の会の連立合意の重要な柱となっています。両党は2025年10月に連立政権で合意し、副首都構想については臨時国会中に協議体を設置し、2026年の通常国会で法案を成立させる方針を確認しました。維新にとって副首都構想は、大阪都構想と密接に関連する政策であり、「2025年基幹政策」の中核に位置付けられています。
しかし、副首都構想の実現には膨大な費用がかかることが指摘されています。首都機能の一部移転には4兆円から7.5兆円程度の費用が見込まれており、費用対効果の検証が重要な課題となっています。また、大阪への機能移転が新たな一極集中を生む恐れもあり、真の多極分散型社会の実現には慎重な検討が必要です。
有権者の選択肢を広げる意義
国民民主党の特別自治市構想は、維新の大阪都構想とは異なる選択肢を有権者に提供する意味で重要です。大阪都構想は2015年と2020年の2回にわたって住民投票が実施されましたが、いずれも僅差で否決されました。1回目は約1万票差、2回目は約1万7千票差という極めて接戦でしたが、市民の判断は明確でした。
特別自治市は、現在の市を維持しながら権限を拡張するため、市民にとってより理解しやすく受け入れられやすい制度改革と考えられます。二重行政の解消や行政効率の向上という目標は大阪都構想と共通していますが、既存の制度を基盤とすることで、変化への不安を軽減できる可能性があります。
今回の国民民主党の提案は、副首都構想を巡る議論に新たな視点をもたらすものです。大阪ありきではない副首都のあり方や、住民の理解を得やすい制度設計について、より深い検討が行われることが期待されます。国民民主党は早期にたたき台を示し、有権者にとって分かりやすい選択肢を提供する方針を掲げており、今後の政治的駆け引きの重要な要素となりそうです。