2025-07-18 コメント投稿する ▼
岩屋外相が南スーダンに5億円の無償支援 WFP通じて食料危機対策、国内からは疑問の声も
岩屋外相、南スーダンに5億円の食糧支援 WFP通じた無償資金協力を実施
日本政府がWFPを通じて南スーダンへ5億円支援を決定
岩屋毅外相率いる日本政府は7月16日、アフリカ・南スーダン共和国における食料安全保障の強化を目的に、5億円の無償資金協力を世界食糧計画(WFP)を通じて実施することを発表した。
南スーダンでは、近年繰り返される洪水被害や政情不安の影響により、農産物の大幅な減収、物流の停滞、物価の高騰が続き、深刻な食料危機が発生している。外務省の見解によると、2024年末時点で約230万人の国内避難民が発生しており、食料安全保障への対策が「極めて緊急性を要する」とされている。
今回の支援は、日本とWFPが連携し、被災者や避難民への食糧供給、栄養状態の改善、脆弱地域への物流支援などを行うもので、具体的には穀物、豆類、植物油などの配給が予定されている。
署名は南スーダン首都ジュバで TICADの公約を具体化
書簡の署名・交換は、南スーダンの首都ジュバにて行われ、在南スーダン日本国臨時代理大使と、WFP南スーダン事務所のマリーエレン・マクグローティー代表が出席した。
この支援は、2022年8月にチュニジアで開催された第8回アフリカ開発会議(TICAD8)で日本が掲げた「食料危機対応・持続可能な農業支援」の公約を具体化するものとされる。
外務省は、「今回の協力を通じて、アフリカと日本の信頼関係をより一層強化し、南スーダンの安定と発展に貢献したい」と述べている。
国民からは「まず国内を」など疑問の声も
一方で、日本国内ではこうした海外への無償支援に対し、「まずは国内の困窮者支援を優先すべき」といった疑問や反発の声も根強い。
SNS上では次のような反応が相次いでいる。
「また海外に5億?国内の少子化や高齢者支援はどうなってるの」
「食料支援するのはいいけど、毎回アフリカってなんで?」
「困ってる人を助けるのは大事。でもその前に日本の物価対策してほしい」
「避難民230万人の南スーダンに5億円。日本の被災地にも使ってほしい」
「外交として意味があるなら説明して。ただ配ってるようにしか見えない」
このように、対外援助の妥当性に加え、その「成果の説明」や「国益との関連性」を求める声が強まっている。
求められるのは“支援の見える化”と国民への説明
日本は「平和国家」として人道支援に積極的な外交を展開してきたが、近年は国内経済や少子化、災害対応などの課題が山積しており、「なぜ今、どこに、いくら出すのか」という選定と説明が求められる時代になっている。
5億円という支出のインパクトは大きく、それが「国際貢献」という名目だけで消化されることがないよう、今後は支援の成果や効果、さらには日本の国益とのつながりを国民に明確に示す必要がある。
今回の南スーダン支援は、アフリカとの関係強化や国際的責任の一環といった外交的意味を持つが、国内の理解と納得なくして“良い支援”とは言えない。外交と内政のバランスが、今、厳しく問われている。