2025-05-20 コメント投稿する ▼
台湾重視のパラグアイと法の支配で一致 日本外相、中国けん制にじませる
中国の圧力念頭に「法の支配」強調 日・パラグアイ外相が会談
日本の岩屋毅外相は5月20日、来日中のパラグアイのルベン・ラミレス外相と東京の外務省で会談し、国際社会での「法の支配」の重要性について意見を交わした。両者は、軍事的・経済的な力を背景に現状を変えようとする行為には断固として反対するという認識を共有した。表立った名指しはなかったが、近年台湾への圧力を強める中国を意識した発言とみられる。
「自由で開かれた国際秩序」へ連携確認
今回の会談では、日パラグアイ両国が「自由で開かれた国際秩序」の維持に向け、協力関係を一段と深めていく方針で一致した。岩屋外相は、パラグアイに多くの日系人が暮らしている点にも言及し、人的交流のさらなる促進に意欲を示した。来年は日本人移住90周年を迎える節目であり、これを機に経済・教育・文化分野など幅広い関係強化を図ることも話し合われた。
ラミレス外相もまた、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想に賛意を示し、多国間の枠組みにおいても価値観を共有する国として連携を進めたいと語った。
台湾と関係を維持する数少ない国・パラグアイ
パラグアイは南米諸国の中で唯一、台湾と外交関係を持ち続けている国家である。この立場に対して中国はたびたび圧力を強めており、昨年末には中国の外交官がパラグアイ国内で台湾との関係断絶を促すような言動をしたとして、パラグアイ政府は異例の強い対応に踏み切った。外交官のビザを取り消し、24時間以内に国外退去させるという厳しい措置を取ったことが注目された。
その背景には、経済的な利益と国際的な信義の間で揺れる南米諸国において、パラグアイが台湾との関係を守ることで民主主義や主権尊重といった価値観を堅持しようとする意思がある。
SNS上での声:「毅然とした姿勢を称賛」「日本も見習うべき」
この日パラグアイ会談について、SNSでは次のような意見が見られた。
「南米でただ一国、台湾との関係を守るパラグアイに敬意を表したい」
「日本の外相がしっかりと『法の支配』を掲げてくれたのは心強い」
「中国に対する遠回しな牽制。こういう外交姿勢がもっと必要」
「パラグアイの外交は一貫していてぶれない。日本もそうあるべき」
「台湾問題で曖昧な態度を取るより、パラグアイのように明確な姿勢を示すべき」
日本と価値観を共有する外交パートナーとして
今回の外相会談は、単なる儀礼的な訪問ではなく、現在の国際情勢に対する共通認識の確認と、それに基づいた連携強化を意図したものだった。台湾をめぐる地政学的リスクが高まる中、日本が「価値観外交」を進めていく上で、民主主義・主権・法の支配といった原則を守る国々との協調がこれまで以上に重要になる。
パラグアイは、その一例として極めて象徴的な存在であり、今後の対中外交や台湾政策においても、こうした国々との関係をいかに築いていくかが問われる。