2025-04-25 コメント投稿する ▼
閣僚外遊に異例の反対 立民「物価高対策優先を」 岩屋外相は予定通り出発
岩屋外相ら3閣僚の外遊に異例の反対
参議院議院運営委員会は25日、岩屋毅外相を含む3閣僚の大型連休中の外遊計画について、立憲民主党の反対により了承しなかった。通常、国会開会中の閣僚外遊は、官房副長官が衆参の議運理事会に事前報告し、了承を得る形式を取っているが、反対意見が出るのは極めて異例である。立民側は「物価高対策に注力すべき時に外遊が必要なのか」と指摘し、夏の参院選を前に政府への対決姿勢を鮮明にする意図があるとみられる。
岩屋外相、予定通り外遊へ
岩屋外相は25日に出発し、5月4日まで米国、セネガル、サウジアラビア、フランス、バチカンの5か国を訪問する予定だ。バチカンではローマ教皇フランシスコの葬儀に参列し、米ニューヨークでは核拡散防止条約(NPT)関連の国際会議で演説を行う。その後、各国の外相と会談を行い、米国の関税政策、中東和平、ウクライナ情勢などについて意見交換を行う。出発前、岩屋氏は記者団に対し「国会への影響を最小限に抑えつつ、必要な外交活動を行いたい」と述べた。
政府内外で立民の対応に批判も
今回の立民の対応に対して、政府与党内からは批判の声が上がっている。自民党中堅議員は「外交日程を取りやめれば国益を損なう。物価高を理由にするのは参院選向けの政治パフォーマンスに過ぎない」と指摘した。国際情勢が緊迫化し、特にウクライナ戦争や中東情勢の悪化が懸念される中、外相の外交活動の重要性が一段と高まっている。こうした中での外遊反対に、慎重論が出ているのは当然とも言える。
過去にも外遊中止例はあるが
参院事務局によると、2020年には新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、橋本聖子五輪相(当時)のギリシャ渡航が議運理事会で了承されず、最終的に中止された例がある。また、2018年には麻生太郎財務相(当時)と小野寺五典防衛相(当時)の訪米が衆院議運理事会で了承されなかったが、両者とも予定通り渡航している。今回も最終的には外相らの外遊は実施される見通しだが、政治的な対立の火種となる可能性は否定できない。
- 立憲民主党が岩屋外相ら3閣僚の外遊に異例の反対
- 岩屋外相は大型連休中に米国など5か国を訪問予定
- 政府与党は立民の対応を「選挙向けパフォーマンス」と批判
- 過去にも外遊が中止された例はあるが、外遊強行の前例も