2025-05-29 コメント投稿する ▼
横浜市とJICAがウクライナに中古PC300台支援 教育支える国際連携に注目
ウクライナの子どもたちに届け 横浜市とJICAが中古PC300台を提供
ウクライナの教育支援を目的に、横浜市とJICA(国際協力機構)が共同で、中古のノートパソコンおよそ300台をオデーサ市の子どもたちに送った。これは、戦争によって壊滅的な打撃を受けたウクライナの教育現場に、少しでも学習の機会を届けたいという思いから実現した取り組みである。
戦争で奪われた教室 オンライン学習への支援
ロシアの侵攻が始まって以来、ウクライナでは数千校に及ぶ教育施設が破壊され、多くの子どもたちが学校に通えない状況が続いている。中には避難生活を送りながら、電波の届く場所を探してタブレットを操作する子どももおり、教育環境は極めて厳しい。
そうした中で、オンライン授業のニーズは高まっているが、パソコンや通信機器の数が圧倒的に足りていない。ウクライナ政府も国際社会に対して継続的に機材支援を求めており、横浜市もこの呼びかけに応える形で行動に移した。
企業・福祉団体の連携で再生パソコンを送付
この支援にあたっては、神奈川県内の家電量販店「OOO社」が中古パソコンを無償で提供し、障害者支援を行う「むくPC工房」が一台ずつ丁寧に修理・整備した。OSは軽量なChromeOS Flexをインストールするなど、ネット接続とオンライン授業に対応できる仕様にしている。
出荷は5月下旬に完了しており、到着は7月頃を見込む。ノートパソコンに加えて、子どもたちが少しでも笑顔になれるよう、日本の支援団体からおもちゃの寄付も同梱された。
現地での使用に懸念 電圧の違いに課題も
一方で、機材の「使い勝手」に不安の声もある。ウクライナでは多くの地域で家庭用電源が200ボルトに設定されており、日本仕様のACアダプタをそのまま使用すれば故障や火災の危険も否定できない。今回送られたパソコンに関しても、現地で変圧器や対応アダプタの確保がされているかどうかが問われており、単なる「ハードの提供」にとどまらず、運用面でのフォローが今後の課題といえる。
横浜市国際局の担当者は「戦争で自由に学べない子どもたちが、パソコンを使って少しでも未来への希望を持てるようになれば」と語るが、現地との調整を続けて機器が円滑に活用されるよう、追加的な支援やアドバイスも求められそうだ。
ネットユーザーの声
SNSではこの取り組みに対して、多くのコメントが寄せられている。
「中古でも十分。こういう支援こそ“実効性”があると思う」
「修理して送るってところが素晴らしい。障害者の支援ともつながってて感動」
「ウクライナは電圧違うよね?変圧器も送ったのかな…」
「日本がこんな形で国際貢献してるのは誇らしい。もっと報道していい話だと思う」
「学ぶ権利って戦争でも守られるべき。その一助になればうれしい」
こうした声に後押しされながら、国際支援の現場はこれからも“届けて終わり”ではない支援のあり方を模索していくことになるだろう。