2025-04-12 コメント投稿する ▼
「命が吹き飛ぶ万博」共産党が中止訴え 夢洲の安全性と巨額費用に批判相次ぐ
夢洲は「安全な会場」とは言えない
問題の中心は、会場となる夢洲(ゆめしま)の地盤と環境だ。夢洲は現役のゴミ最終処分場であり、地中では今もメタンガスが発生し続けている。昨年には、工事中の火花が地下のガスに引火し爆発事故も起きた。幸いけが人は出なかったものの、夢洲の危険性が浮き彫りとなった。
山下氏は演説で、「半年間で数千万人を集めるイベントを、こんな場所でやるのは本来ありえない」と強調。「地下に滞留するガスをどう排出するのか。常時監視や専門スタッフの配置など、多層的な安全対策が必要だが、現時点では不十分だ」と警鐘を鳴らした。
「万博より暮らし優先を」清水氏が指摘
清水氏は、今回の夢洲開催について「維新がベイエリア開発とカジノ誘致を進める口実として万博を利用している」と批判。「爆発の危険があるガスが検出された事実を公表しない万博協会の姿勢も不誠実だ」と述べたうえで、「万博やカジノではなく、今必要なのは府民・市民の命と暮らしを守る政治だ」と訴えた。
市民からも広がる不満の声
街頭宣伝を見て立ち止まった47歳の女性は、「これだけの税金を万博に使っても、私たちの生活には何ひとつ返ってこない」と語る。「介護保険料が高すぎて生活が苦しい。そんなお金があるなら、医療や介護をもっと充実させて」と、切実な思いを口にした。
費用膨張と収支不安も
当初1,250億円とされた会場整備費は、すでに2,350億円へと膨らんでいる。関連するインフラ整備やアクセス道路などを含めれば、総額は1兆円規模とも言われる。しかも入場料収入で運営費をまかなうという計画は、前売り券の販売が伸び悩んでいることからも、実現性に疑問が残る。
大阪万博をめぐる問題は、もはや一部の批判にとどまらず、広く市民の関心と不安を呼んでいる。万博協会や大阪府・市には、事実に基づいた説明と、何より「命を守る」観点からの再検討が求められている。