2025-07-26 コメント投稿する ▼
森山裕幹事長、両院議員総会開催を明言せず 石破首相続投支持も中立性に疑問の声
森山裕幹事長、両院議員総会の開催を明言せず 石破首相続投に慎重支援も「党則の解釈」で波紋
参院選での自民党大敗を受け、石破茂首相の進退を問う党内の動きが加速する中、党運営の要である森山裕幹事長が注目の対応を見せている。26日、地元・鹿児島市で記者会見に臨んだ森山氏は、両院議員総会の開催を求める有志議員の署名活動について、「党則に基づき対応する」としながらも、総会開催の明言を避けた。
すでに党所属国会議員の3分の1以上が署名に応じたとの報道があるなか、森山氏は「どういう内容の署名か確認が必要」と語り、手続き上の精査を理由に慎重な姿勢を崩さなかった。党内の緊張が高まる中、森山氏のこの発言は事実上の“開催先送り”とも取られかねない。
「確認が必要」発言に反発も 党則の形骸化を懸念する声
自民党則では、両院議員総会は所属国会議員の3分の1以上の要求があれば「7日以内に招集すべきもの」と明記されている。これは首相や党総裁の進退を正式に議論できる唯一の場であり、極めて重い規定だ。
にもかかわらず、森山氏はこの日、「署名の中身や方法などを確認する必要がある」と繰り返し、開催を明言することを避けた。これに対し、党内外からは「時間稼ぎではないか」「党則の形骸化では」といった批判が噴出している。
「“確認が必要”って、それこそ都合よく曖昧にしてるだけ」
「手続き論で引き延ばすのは、党内民主主義の否定」
「幹事長がルールを守らないなら、誰が守るのか」
「森山氏は首相寄りに見える。公平な調整役として機能してない」
「総会を開かず懇談会でお茶を濁すなら、説明責任を放棄したも同然」
市民・有権者の声には、森山氏の態度に対する不信感と、「正当なルールの下で党運営をすべきだ」という根本的な要望が交錯している。
地元鹿児島では首相続投を支持 立場の“ねじれ”が際立つ
一方、森山氏は同日、会長を務める自民党鹿児島県連が「石破首相の下で国難を乗り切ってほしい」とする続投支持の決議をまとめたことを明らかにした。近く党本部に提出する予定だという。
幹事長として党内の意見をとりまとめる立場にある森山氏が、自らの県連を通じて続投支持を公にすることには、「調整役の中立性に欠ける」との見方もある。森山氏は「それぞれの意見を承る場として、28日に両院議員懇談会を開く」と説明したが、この懇談会には議決権がなく、あくまでガス抜きの場にすぎない。
自民党内の権限と正統性をどう担保するか
森山氏の振る舞いは、自民党の幹事長という重職のあり方にも波紋を広げている。党内の対立が先鋭化する中で、党則をどう運用するのか、幹事長としてどこまで中立を保てるのかが今まさに問われている。
党内では茂木敏充前幹事長や青山繁晴氏などが石破首相の退陣を公然と求めており、有志議員たちが両院議員総会開催に必要な手続きを進める中、森山氏がそれを正面から受け止めるかどうかは、今後の党内権力構造を大きく左右する。
両院議員総会を開くか否か、それを誰が決めるのか――森山幹事長の判断は、自民党の「民主性」と「自浄能力」を占う試金石となっている。