選択的夫婦別姓に自民党が慎重姿勢 「家族が壊れる」という不安と誤解

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選択的夫婦別姓に自民党が慎重姿勢 「家族が壊れる」という不安と誤解

選択的夫婦別姓に自民党が慎重姿勢 「家族の形が壊れる」との懸念


保守的価値観の根強さと自民党のスタンス

自民党の森山裕幹事長は13日、NHKの討論番組に出演し、選択的夫婦別姓制度の導入について「慎重な検討が必要だ」と語った。森山氏は、「歴史的な経過や家族の形に関わる重要なテーマだ」と述べたうえで、「子供が混乱し、親子のつながりに影響が出てくる可能性も考えられる」と強調した。

選択的夫婦別姓とは、結婚後も夫婦がそれぞれの姓を名乗ることを可能とする制度であり、夫婦どちらかが改姓を強制される現在の戸籍制度を見直そうという動きの一つである。日本ではこれまで、婚姻時にどちらかの姓を選ぶことが義務付けられており、そのほとんどが「夫の姓」になる現状が続いている。

これに対して、選択的夫婦別姓を求める声は根強いが、保守層を中心に「家族の一体感が崩れる」「子供が混乱する」といった懸念が繰り返し表明されてきた。

子供への影響を懸念する声とその実情


森山幹事長が述べた「親子のつながり」や「混乱への懸念」は、保守派が一貫して強調している論点である。だが実際には、夫婦別姓制度を導入している諸外国において、親子関係が崩壊したという具体的な事例は見当たらない。むしろ、親が姓を選べる柔軟な仕組みが社会の多様性を支えているという評価が一般的だ。

一方、日本国内では「夫婦が同姓であることが家族の証だ」とする価値観が依然として根強く、法改正への抵抗感は少なくない。特に自民党の支持層においては、「家族のかたちは変えるべきでない」とする声が大きく、政治的な配慮もあって党内では積極的な議論が進みにくいのが現実だ。

「親と違う姓でも全然困ってない。混乱するのは大人の方では?」
「夫婦別姓が嫌な人は同姓を選べばいいだけの話」
「多様な生き方を認めない社会に未来はない」
「子供を理由に反対するのはずるい。子供をダシにしてるだけ」
「親子のつながりは姓じゃなくて、日々の関係でしょ」


制度への誤解と議論のすれ違い


「選択的」とは名ばかりで、制度の本質が十分に理解されていない現状も見逃せない。選択的夫婦別姓は、あくまで希望する夫婦のみが別姓を選択できるという制度であり、同姓を望む夫婦には何ら影響を及ぼさない。だが、多くの反対論ではあたかも「すべての夫婦に別姓が強制される」かのような誤解に基づく主張が目立つ。

こうした情報のすれ違いや感情的な反発が、冷静な制度設計や社会的な合意形成を妨げているという指摘もある。

また、最高裁は2021年に「現在の民法と戸籍法は違憲ではない」としつつも、「制度の在り方は国会で議論すべき」との見解を示しており、立法府にボールを投げ返した形になっている。にもかかわらず、国会での議論は長らく停滞しており、今回の森山氏の発言も、その流れを維持しようとする保守側の姿勢を再確認させるものとなった。

選択の自由か、家族の形の崩壊か


選択的夫婦別姓を巡っては、「個人の自由を尊重する社会」に近づくべきだとする声と、「伝統的な家族の価値観を守るべきだ」とする意見が正面からぶつかり合っている。

しかし現在、婚姻のために自らの姓を捨てることを望まない人々が「法律婚」を諦め、事実婚を選ぶケースも増えている。これにより、配偶者控除や相続、子の親権といった法的保護を受けられない不利益も生じており、実質的な社会格差につながっている側面もある。

一方、保守派の主張としては、「制度を変えれば社会が変質する」「家庭が空洞化する」との懸念がある。とりわけ、子どもの姓をどうするかといった論点は、実務上も感情面でも複雑さを伴う。

今後、真に必要なのは「変えるべきところは変え、守るべき価値は守る」という現実的な折り合いである。国会においても、イデオロギーや政争を超え、実務的な視点で制度の是非を議論する姿勢が求められている。

コメント: 1件

2025-07-13 15:29:28(S.ジジェク)

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上記の森山裕の活動をどう思いますか?

コメント

はいはい。選挙用。選挙用。

2025年7月13日 15:32 岡沢

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