2025-06-29 コメント投稿する ▼
森山幹事長「ポピュリズム批判」に疑問の声 自民のタレント擁立は“人気取り”ではないのか?
森山幹事長「ポピュリズムに陥るな」発言に疑問の声 消費税減税論批判も自民の“タレント擁立”にブーメラン
野党の減税主張を「耳障りのいい話」と断じる一方、比例にタレント起用で民意を取ろうとする矛盾
自民党の森山裕幹事長が6月29日、奈良県五條市での講演で「ポピュリズムの政治に陥ってはならない」と語り、野党が掲げる消費税減税や廃止案を厳しく批判した。だがその一方で、自民党自身も参議院比例代表に著名タレントの擁立を進めており、「それこそがポピュリズムではないのか」とする冷ややかな視線も少なくない。
「現金給付の方が即効性」与党路線を正当化
森山氏は講演で、物価高に対する政府対応として現金給付を推進する姿勢を明示。「税率を下げることができればめでたいことだが、社会保障の財源をどう確保するかを考えずに減税を語るのは無責任だ」と述べ、野党の政策を「現実性を欠いた耳障りのいい話」と位置づけた。
さらに「正直な政治をして、本当の状況を国民に説明し、選択していただきたい」とも語り、苦い薬を提示するのも政治の責任だと訴えた。
「減税すれば誰だって嬉しいが、そのツケは誰が払うのか?」
「国民に媚びずに現実を伝えることが本物の政治」
「短期的な人気取りでは社会保障制度は守れない」
タレント候補の擁立、それは“民意重視”か“人気迎合”か
だが、こうした「正論」にも、別の視点からの厳しい目が注がれている。自民党が今夏の参院選比例代表に複数の芸能人・スポーツ選手を擁立しようとしていることに対し、「それ自体がポピュリズムの象徴ではないのか」との指摘が相次いでいるのだ。
実際、過去の国政選挙でも自民党は、俳優・タレント・スポーツ界の著名人を候補として擁立し、知名度による票の上積みを狙ってきた。今夏の参院選でも同様の戦略が見られ、「減税主張=ポピュリズム」と切り捨てる森山氏の論法に、「ダブルスタンダードでは」とする批判も噴き出している。
「有権者に甘い話をしてるのは減税派だけ?人気タレントで票を釣るのは違うの?」
「“選挙は戦略”って言えば聞こえはいいけど、それも十分ポピュリズムでしょ」
「口では正直な政治って言ってるけど、やってることはイメージ先行の人気取り」
こうした疑問の声はSNS上でも多数見られ、特に若年層を中心に「ポピュリズムという言葉で他者を否定する一方、自分たちは例外」という構図に反発が広がっている。
消費税減税支持は70%超 民意の切実さに寄り添えているか
共同通信が6月下旬に行った世論調査によると、物価高対策として「消費税減税が望ましい」と答えた人は70.0%に上り、「現金給付」(23.8%)を大きく上回った。これは単なる“耳障りのいい話”ではなく、切実な生活苦の反映と捉えるべきだという指摘もある。
また、参院選の比例投票先を見ても自民党は17.9%でトップながら、野党勢の合計はこれを上回っており、選挙区では「野党系候補に投票する」と答えた人が32.6%と、与党系の19.9%を大きく上回った。
民意が求める「即効性」や「可処分所得の増加」に、政権がどこまで真摯に応えるかが問われているにもかかわらず、「減税=ポピュリズム」と一括りに否定する姿勢には、説明責任の不足を感じる有権者も多い。
「国民が望む声が全部“ポピュリズム”なら、民主主義って何なんだ?」
「現金給付は遅いし不公平感もある。減税の方がよほどシンプルで広く効く」
「給付は一時、減税は構造的。それを否定するのは国民感情の否定に近い」
「減税反対は財務省の顔色をうかがってるだけじゃ?」
「だったらタレント候補もやめて、本当に政策で勝負してみてほしい」
「現実を語る政治」とは? 信頼と説得力の試練
森山幹事長は講演で「我々はタイミングよく必要なことを行っている」と語ったが、そこに国民の納得と信頼が伴わなければ意味を成さない。
確かに、短期的なバラマキや人気取りで政権を担うことは危うい。しかしその一方で、政治が「現実」という名のもとに国民の苦しみに鈍感であったり、説明責任を果たさなかったりすれば、信頼はすぐに揺らぐ。
タレント候補を擁立しながら「ポピュリズムの政治に陥ってはならない」と野党を批判する姿勢には、一定の矛盾が残る。それを打ち消すには、候補者の知名度に頼らない本質的な政策議論と、国民の生活感覚に即した現実的な対策が不可欠だ。
参院選の本当の争点は「痛みの分かち合い」か「希望の可視化」か
7月3日公示、20日投開票の参議院選挙が迫る中、与野党の論戦は激しさを増している。給付か減税か、現実か希望か――その選択は、有権者一人ひとりの体感としての「信じられる政治」にかかっている。