2025-06-29 コメント投稿する ▼
公約柏崎刈羽原発の再稼働めぐり初の公聴会 新潟県民の賛否が拮抗、知事の判断材料に
柏崎刈羽原発再稼働めぐる新潟県の初公聴会、県民の声は賛否分かれる 知事判断のカギに
再稼働の是非に揺れる県民の声 新潟で公聴会始まる
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題をめぐり、県民の意見を直接確認するための新潟県主催の公聴会が6月29日、新潟市の県庁を中心に開催された。今後8月末までに計5回開催される予定で、今回はその初回。柏崎市と刈羽村に住む16人の住民が、それぞれの立場から率直な意見を述べた。
この公聴会は、県として再稼働の是非を判断するうえで、民意をどのように把握するかが問われている中で実施された。花角英世知事は、「県民の声を広く聞いたうえで、判断を下す」としており、公聴会はその判断材料の一つとして重視される。
ただし、知事自身はこの日の公聴会に出席しなかった。
意見は賛成・反対が拮抗 地元からは経済・安全両面での訴え
今回意見を述べたのは、公募で選ばれた住民8人と、商工会議所や経済団体など6団体から推薦された8人の計16人。その内訳は、再稼働に賛成7人、条件付き賛成2人、反対5人、不明・疑義がそれぞれ1人ずつという構成だった。
賛成派の意見として多く聞かれたのは、地域経済や雇用への影響、そしてエネルギーの安定供給を重視する声だった。とくに県商工会議所連合会の推薦で参加した柏崎市在住の60代男性はこう語った。
「柏崎刈羽原発が立地していることで新潟には核燃料税が入るし、構内で働く6300人のうち8割は県民だ」
同様に賛成した別の公述人も、「地球温暖化対策としても、原発の稼働は現実的だ」と主張。再エネや火力発電だけでは不安定な供給になるという懸念も共有された。
一方、条件付き賛成の立場を取った柏崎市の40代男性は、より生活に直結した目線から語った。
「柏崎や刈羽の電気料金が下がるのなら再稼働に賛成したい」
住民負担の軽減という視点は、賛成と反対の狭間で揺れる地域住民のリアルな感覚を反映している。
反対派は避難計画と東電の信頼性に疑問
再稼働に反対する住民たちは、安全性と信頼性への強い不安を口にした。
78歳の柏崎市民男性はこう語る。
「安心して避難できる計画がまだ整っていない。このまま動かすのは不安だ」
刈羽村の80代女性は、東京電力そのものへの信頼のなさを理由に挙げた。
「不祥事が続くような企業に、原発の運転を任せられるとは思えない」
福島第一原発事故の記憶は未だに色濃く残っており、「次は自分たちの番かもしれない」という懸念がぬぐえないという声も複数あった。
「地元に住む私たちが逃げられない状況になったら、誰が責任を取るのか」
「安全神話はもう信じられない。万が一のリスクが大きすぎる」
公述人の一人は再稼働の是非に明言を避けつつも、「何かあったときの避難経路や支援体制が十分に描かれていないことが不安だ」と述べた。
知事の判断にどう反映? “賛否を聞く場”としての意義と限界
今回の公聴会では、地域内での温度差が改めて浮き彫りになった。雇用や地域経済を支える存在として原発を評価する声と、事故リスクや東電の管理体制への不信感を理由に慎重な姿勢を求める声が共存している。
公聴会を通じて得られる県民の声を、どのように知事が受け止め、最終的な政治判断に落とし込むのか。出席しなかったことに「直接聞く姿勢が欲しかった」との声もある一方で、「公正な距離を保つため」とする見方もある。
「出ないのは逃げてるように見える」
「聞く場を用意しただけでも評価できる」
「でも、どうせ結論は決まってるんじゃ…」
「この公聴会が単なるアリバイにならないことを願う」
SNS上でも知事のスタンスに対するさまざまな意見が投稿されており、注目が集まっている。
再稼働判断の行方は 8月末まで全5回の意見聴取
今後、新潟県は8月末までに計5回の公聴会を開催し、県内各地の住民から広く意見を募る方針だ。今回のように賛否が分かれる中で、単に“多数決”で結論を出すことは難しく、質の高い議論と冷静な判断が求められる。
花角知事はこれまで「技術的な安全性の確認、事故時の検証、健康影響の評価」という三つの検証プロセスを重視する姿勢を示してきた。今回の公聴会を通じて得られる生の声が、最終判断にどこまで影響するのか注視される。
この投稿は花角英世の公約「原発は県民の安全最優先で、3つの検証をしっかり進めます。」に関連する活動情報です。この公約は点の得点で、公約偏差値、達成率は0%と評価されています。