2025-08-16 コメント投稿する ▼
維新新体制に影落とす「橋下院政」 吉村代表の挙党一致へ最大のリスク
維新新体制に影落とす「橋下院政」
日本維新の会は吉村洋文代表(大阪府知事)の下で新体制をスタートさせた。吉村代表は「挙党一致」を掲げて船出したが、リスク要因として党創設者で既に政界を引退した橋下徹元大阪府知事の影響力が指摘されている。橋下氏は副首都構想を実現するために自公との連立を提案し、発言が党内に波紋を広げた。
参院選翌日の7月21日、橋下氏はテレビ番組で「自民、公明は弱っている。副首都構想一本に絞って連立を組んだらいい」と発言。これを受けて大阪維新の地方議員や若手を中心に容認論が広がった。河崎大樹府議団代表や横山英幸大阪市長は「あらゆる選択肢を取るべきだ」と同調し、橋下氏に近い「橋下チルドレン」と呼ばれる世代が賛意を示した。
「政界引退した人がここまで影響するのは異常」
「副首都構想を進めるなら現実的な提案だと思う」
「外部の人間が党運営に口を出すのは筋違い」
「橋下氏がいなければ維新はここまで来ていないのも事実」
「党内の主導権争いに市民が振り回されるのは勘弁してほしい」
過去にも繰り返された影響力
橋下氏が政界を離れてからも、その発言は党内に影響を与えてきた。昨年の衆院選で維新が議席を減らした際、橋下氏はSNS上で馬場伸幸代表時代の国会対応を「飲み食い政治」と批判し、《代表選はマスト》と投稿。これを受けて党は代表選を実施し、吉村氏が代表に就いた経緯がある。
また、兵庫県知事の告発文書問題をめぐり、関与した県議2人の処分内容を巡っても、橋下氏が《逆、逆》と投稿した直後、処分方針が覆ったとされる。こうした一連の出来事は「橋下院政」との批判を強めている。
党内からの反発と懸念
大阪市議の一人は「(橋下氏は)目の上のたんこぶ。外部の人間の意見は無視すべきだ」と不満を漏らし、旧執行部関係者も「一般の人から橋下氏と維新は関係があると思われており、プラスではない」と指摘する。さらに国会議員の中には「いい加減にしてくれ」と苛立ちを募らせ、吉村代表に対応を求める声が出ている。
一方で橋下氏は大阪維新の改革実績を引き合いに、国会議員団を批判する発言を繰り返す。しかし、ベテラン議員は「いつまでも同じことを言っていて民意からずれている」と冷ややかに見ており、橋下氏への評価は二分されている。
吉村代表の課題は「橋下色」の払拭
12日、吉村代表は新三役の発表会見で「党内で一致団結しないと十分な力を発揮できない」と述べ、挙党一致を重視する姿勢を示した。しかし実際には、橋下氏の発言が政策決定や処分方針に影響を及ぼしてきた事例が多く、党内外で「橋下院政」批判がくすぶる。
吉村新体制が真に党をまとめるためには、橋下氏の存在とどう距離を取るかが最大の課題となる。党創設者への敬意と現実的な党運営の狭間で、維新の「自立性」が問われている。