2025-06-07 コメント: 2件 ▼
橋下徹氏、違法民泊問題に「特区民泊やったの誰?」「僕です!」と自虐ツッコミ 大阪の課題に持論も
違法民泊問題に橋下徹氏が自虐交えコメント
7日に放送された関西テレビの情報番組「ドっとコネクト」で、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が、違法民泊問題に対してユーモアとともに真剣なコメントを述べ、注目を集めた。
番組では、東京・板橋区のマンションでオーナーが中国人に代わったとたん、家賃が2.5倍に跳ね上がった上、住民ではない外国人観光客らしき人物がキャリーケースを持って頻繁に出入りしているという事例が紹介された。近隣住民の証言などから、届出のない“違法民泊”である可能性が高いと報じられた。
さらに、大阪の不動産業者の声としても、「中国人オーナーに変わった途端、家賃が倍近くになり退去を余儀なくされる事例が頻発している」との証言が紹介された。特にインバウンド需要が集中するなんばや西成地区では、民泊化が急増しているとの指摘もあり、大阪市が「民泊特区」であることも、中国マネーの流入に拍車をかけているという。
橋下氏「民泊特区やったのは僕!」と自認
話題が大阪の民泊事情に及ぶと、橋下氏はスタジオで突然、
誰ですか、特区民泊なんかやったのは!
と一喝。しかし、すぐさまMCの石井亮次アナが、
あんたやんか! あんたが言い出しっぺ!
とツッコミを入れると、橋下氏は満面の笑みで、
そうそう。僕や松井一郎さんや吉村(洋文)さんが、大阪を民泊の都市にすると大号令かけた。安倍政権にどんどん言って特区民泊を広げたのは僕です!
と自らの政策であることを認め、「開き直り」とも取れる軽妙な応答でスタジオを笑わせた。
この発言に対し、共演の山本浩之アナは、
こういうやり方があんねんな。言われる前にまず自分で…
とやや呆れたような反応を見せた。
「民泊なければ大阪は回らない」と持論
橋下氏はその後も、民泊の必要性について真剣なトーンでこう語った。
確かに問題点はあるんで対応していきますが、でも民泊がなかったら大阪、大変なことになりますよ。これだけ外国人観光客が来て泊まる場所がないんですよ
そして、
民泊もあり、ちょっと高い金額のホテルもあり、選べるようにするのが重要
と語り、民泊規制を強めるだけではなく、宿泊施設の多様性と観光都市としての柔軟性を維持すべきとの考えを示した。
番組内では、石井アナが、
橋下さんの住んでるマンションのフロアが全部民泊になって、毎日スーツケースで“ドン!”って当たられて、横から“ワ~ッ!”て声が聞こえたらどうします?
と詰め寄ると、橋下氏はすかさず、
民泊禁止です
と返答。スタジオがざわつく中、即座に「ダメダメダメ!!(民泊は)OK!OK!」と慌てて修正し、スタジオは笑いに包まれた。
ユーモアの裏に透ける民泊制度の限界と課題
橋下氏の発言は一見ユーモアに満ちていたが、その背景には大阪の民泊をめぐる根深い問題がある。合法的な特区民泊制度の裏で、無許可営業や居住者への配慮を欠いた「違法民泊」が急増しており、行政や地元住民との摩擦が顕著になっている。
特に、中国資本によるマンション買収後の違法民泊化や、家賃の急騰といった現象は「居住の安定」を脅かす事態に発展しつつある。こうした問題に対して、特区民泊の旗振り役であった橋下氏自身がどこまで責任を感じ、制度の見直しに向き合うかが問われている。
「自分が推進したことを笑って済ませるのはどうかと思う」
「民泊は必要だけど、違法を取り締まる仕組みが弱すぎる」
「合法と違法の境目が曖昧になってる。住民の不安は無視できない」
「外国人観光客が増えるのは歓迎。でも近隣トラブルが増えるのは困る」
「橋下さん、対応すると言うなら早く法整備にも声を上げてほしい」
大阪の“民泊都市化”に必要な次の一手
橋下氏の発言からは、民泊を「大阪経済の必要悪」として容認する姿勢が見える。しかし、いま大阪に求められているのは、違法民泊への厳格な対処と、住民と観光の共生モデルの構築だ。
民泊は都市の魅力を高める一方で、ルール無視の拡大は「暮らしの安心」を脅かす。制度を作った側の政治家や行政経験者が「笑い」で終わらせるのではなく、現場の混乱を丁寧に吸い上げ、次の制度改正にどうつなげるのかが問われている。