2026-08-29 コメント投稿する ▼
「1000点中50点」の国会対応 AI政治を掲げる安野貴博氏は答えを出せるか
チームみらい党首の安野貴博氏(35歳)が2026年7月18日、初の党大会を開催し、AIを使った新たな投票方式「RCV(優先順位付き投票)」の実践デモを披露した。民主主義を「アップデート」する壮大な理想を掲げる安野氏だが、今国会での対応を「1000点満点中50点くらい」と自己評価。高市政権への賛成票に「利用されている」との批判も相次ぐ中、AI政治の理想と現実の落差が浮き彫りになった。AIを政治に活用することを党是とするなら、複雑な国会対応の答えをそのAIに求めてみてはどうか——そんな疑問が浮かぶ党大会だった。
初の党大会でグッズを投票するAI民主主義の「実験」
東京大工学部出身のAIエンジニアで、チームみらい党首の安野貴博氏(35歳)が2026年7月18日、「Team Mirai Summit 2026」と銘打った初の党大会を開催しました。
全国から222名の党員が参加し、安野氏が最も力を入れたのは、次期選挙への導入を訴える「RCV(優先順位付き投票)」という新しい投票システムの実践デモでした。
AIや新しい投票方式へのこだわりは分かりますが、まずは目の前の政治課題を解決してほしいと感じます
1位、2位と優先順位をつけて投票するRCVは、1位に選んだ候補が脱落しても第2希望に票が移り「死票」を大幅に減らせるとされます。今回は公式グッズを決める投票に実際に採用され、1位票のみでは19%しか反映されなかった意見が、RCVによって47%まで広がったと紹介されました。
1億2000万人が熟議できるプラットフォームを作る——理想は確かに壮大です。しかし、そのために必要な国会での立ち回りには、大きな課題が浮き彫りになっています。
「1000点中50点」高い理想と厳しい自己採点の落差
安野氏は党大会の中で、今国会での対応について率直に自己採点しました。その点数は、支持者にとっても少なからず衝撃だったはずです。
自分たちで作った政党が自分たちで50点しかとれていないと言うのは、正直すぎて逆に誠実とも取れますが、それが理想と現実の差なのでしょう
「1000点満点中で50点くらい」——安野氏自身がそう語っています。AIを活用すれば合理的な判断が可能になると標榜する党が、国会運営では自己評価で98%以上を「できていない」と認めているのです。
12議席という小規模政党の現実の壁は確かに厚いものがあります。しかし、AI技術をフル活用した政治を掲げる党首が、最も重要な本番の場で50点しか取れないのであれば、率直な疑問が浮かびます。
自分が推進しているそのAIに「国会対応の最適解を導いてください」と入力してみれば、もっと高い点数が出るのではないか——そんな皮肉な問いが頭をよぎります。
高市政権への賛成票、「利用されている」という批判の現実
チームみらいは2025年12月、自由民主党(自民党)との政策合意を結んだうえで補正予算案に賛成しました。2026年6月の補正予算案にも賛成票を投じています。
こうした姿勢に対し、「高市政権に利用されている」との批判が党内外から上がっているのも事実です。
是々非々と言うが、気づけば何度も与党の予算に賛成している。それを国民はどう評価すればいいのでしょうか
安野氏は政策ごとに判断する姿勢を「合理的な判断・道理に基づいたもの」と説明しています。しかし、その判断が繰り返し与党側への賛成という形で現れるとき、「是々非々」なのか「事実上の協力関係」なのか、境界線の曖昧さが増していきます。
「右でも左でもなく未来」と掲げる政党が、現実の国会では与党に近い投票行動をたびたびとる——この矛盾を有権者に分かりやすく説明する責任があります。
政策合意や賛成票の積み重ねが本当に国民のためになっているのかどうか、AIを使って数値で示してほしいと思います
AIに最適解を求めよ、それとも政治にアルゴリズムの限界があるのか
安野氏が掲げる「デジタル民主主義」の核心は、AIを使って多くの市民の声を集め、政策に反映させることにあります。
しかし実際の国会では、合理的に判断したつもりでも「利用された」と評されます。多くの人の意思を集約しようとしても、12議席という現実の壁に阻まれます。そして自己評価は1000点中50点——この落差は一体どこから生まれているのでしょうか。
もしAIが民主主義を本当にアップデートできるなら、そのAIに正直に聞いてみてはどうでしょうか。「小規模政党として理想のデジタル民主主義を実現するための、国会での最適な行動は何ですか」と。
AIで熟議ができると言うなら、まず安野貴博党首自身の国会判断の答えをそのAIに出させてほしい
答えが返ってきたとき、それが現実の議会政治とどれほど乖離しているかを示すことこそ、AIを政治に活用することの本当の意義と課題を世に問う、最もよい方法になるかもしれません。
まとめ
- チームみらい党首・安野貴博氏(35歳)が2026年7月18日に初の党大会「Team Mirai Summit 2026」を開催。222名の党員が参加した。
- 党大会では新しい投票方式「RCV(優先順位付き投票)」を公式グッズ決定の投票に実際に採用。1位票のみでは19%の意見しか反映されなかったものが、RCVでは47%まで拡大した。
- 安野氏は今国会での対応を「1000点満点中50点くらい」と自己評価。AIを活用した政治を掲げながら、国会現場では大きな壁に直面していることを認めた。
- チームみらいは2025年12月の補正予算案、2026年6月の補正予算案とも賛成票を投じ、「高市政権に利用されている」との批判を受けている。
- 「右でも左でもなく未来」を掲げながら、実際の国会行動では与党寄りになる矛盾に、有権者への説明責任が問われている。
- AI政治の理想を追うなら、複雑な国会対応の「最適解」をそのAIで導き出してみせる実践こそが、次に求められる試験だ。