2025-09-07 コメント投稿する ▼
チームみらい・安野貴博代表が掲げる「民主主義のアップデート」 デジタル技術で政治参加を変革
チームみらいが掲げる「民主主義のアップデート」
7月の参院選で比例代表1議席を獲得し、政党要件を満たした新興政党「チームみらい」が注目を集めている。党首は人工知能(AI)エンジニア出身の安野貴博氏(34)。「いろんな声を聞くことが民主主義で重要だ」と強調し、テクノロジーを駆使した政治参加の拡大と政治資金の透明化を旗印に掲げる。
安野氏は東京大学工学部でAI研究者・松尾豊氏の下で学び、起業経験も持つ。昨年の東京都知事選に初出馬した際には、AIを活用した公約づくりが話題を呼び、政治経験がないにもかかわらず約15万票を獲得した。今回の参院選では得票率2%を超え、政党要件をクリアしたことで、新しい「政治の回路」を作ろうとしている。
「政治をもっとオープンにしてほしい」
「テクノロジーで透明性を高めるのは時代に合っている」
「若い世代の声を反映する仕組みが必要だ」
「投票だけでなく、日常的に参加できるのは良い発想」
「永田町に新陳代謝を持ち込む存在になれるか注目だ」
「永田町ソフトエンジニアチーム」の挑戦
安野氏は党内に「永田町ソフトエンジニアチーム」を設置。エンジニアやデザイナーら10人程度の専門家で構成され、政治資金の収支をネットで公開するシステムを開発中だ。近年問題視される「政治とカネ」を巡る不信感に対し、透明性の確保を技術で実現する狙いがある。
さらに、政策に関する意見をオンラインで収集する「デジタル目安箱」の準備も進められている。国会審議の状況を可視化し、寄せられた市民の意見を安野氏の国会質問に反映させる仕組みを構築中で、秋の臨時国会での活用を目指すという。
政治参加のハードルを下げる仕組み
安野氏が描く構想の一つに、陳情や請願のデジタル化がある。現在は国会や自治体に直接足を運ばなければならないが、「普通の人は経験がない」として、オンラインを通じて気軽に意見を届けられる仕組みを整えようとしている。
選挙の投票だけでなく、日常的に政治に関わる機会を増やすことで、多様な市民の声を政治に反映させる狙いがある。従来の先例や慣習に依存してきた国会の仕組みを変えるには、こうしたデジタル化の導入が不可欠だと安野氏は訴える。
次期衆院選に向けた展望
チームみらいが参院選で擁立した候補者は15人。エンジニア、会社役員、教員など職歴は多彩で、平均年齢は35歳と若い。安野氏は「政治の業界に良くも悪くもいなかった人を擁立していきたい」と語り、次期衆院選に向けて既存政党にはない候補者の発掘を進める方針を示した。
世襲議員や長期の職業政治家に偏る国会に対し、安野氏は「新陳代謝の弱さが課題」と指摘する。新興政党としての活動は始まったばかりだが、デジタル技術を活用した「民主主義のアップデート」がどこまで浸透するかが、今後の焦点となる。