2025-04-17 コメント投稿する ▼
都内家賃高騰に家賃補助を 吉良議員がUR建て替え計画の見直しと住民支援を要求
都内賃貸住宅に家賃支援を求める声高まる
2025年4月17日、参議院国土交通委員会において、日本共産党の吉良よし子議員が、東京都内の高騰する賃貸住宅の家賃に対する家賃補助の導入と、UR(都市再生機構)住宅の建て替え計画における高齢者や低所得者の住まいの確保について、政府に対して強く求めた。
家賃高騰の現状と家賃補助の必要性
吉良議員は、物価高騰の影響により、東京都内の住宅価格および賃貸住宅の家賃が深刻な上昇を続けていると指摘。特に、50~70平方メートルのファミリー向けマンションの家賃は、過去10年間で23区内で1.4倍、多摩地域でも1.3倍に上昇しているという。欧州諸国では、住宅支援の一環として家賃補助が導入されているが、日本では住宅ローン減税など持ち家支援に偏っており、賃貸住宅への支援が不足していると述べた。「物価高で暮らしが大変な今、賃貸住宅への家賃支援に踏み出すときだ」と訴えた。
これに対し、中野洋昌国土交通大臣は、「住まいは生活の基盤であり、重要な課題と認識している」と述べたものの、具体的な家賃支援策については明言を避けた。
UR住宅の建て替えと住民の不安
吉良議員は、都内の大島四丁目団地や高島平団地など、UR団地の建て替え計画により、家賃が上昇し、住民が住み続けられなくなる可能性があると指摘。建て替え後も同じ戸数が確保されるのか、家賃が上がることはないのかとただした。これに対し、URの村上慶裕理事は、「戸数は精査中で、家賃は全く同額を保証するものではない」と答弁した。吉良議員は、「戸数も確保されないし、家賃も上がることが前提となっている」と批判した。
また、URの建て替えに伴うタワーマンションの建設など、地域の景観が大きく変わるにもかかわらず、住民が置き去りにされているとし、住民参加を求めた。
URの家賃減額制度とその課題
UR都市機構では、団地再生事業(建て替え・集約)に伴い、移転先のUR賃貸住宅の家賃が上がる世帯に対して、家賃減額制度を設けている。この制度には、一般の方向けの「一般減額」と、低所得の高齢者世帯、母子・父子世帯、障がい者世帯、子育て世帯および生活保護世帯の方向けの「特別減額」の2種類がある。しかし、これらの減額制度は、所得要件や世帯要件を満たす必要があり、すべての住民が対象となるわけではない。また、家賃減額の適用期間は、住宅の改良整備が完成したときから最長20年間であり、期間終了後は家賃が上昇する可能性がある。
家賃支援策の必要性と今後の課題
物価高騰が続く中、特に都市部における賃貸住宅の家賃上昇は、低所得者や高齢者にとって大きな負担となっている。欧州諸国のように、賃貸住宅への家賃補助を導入することで、住まいの安定を図る必要がある。また、UR住宅の建て替えに伴う家賃上昇や住民の移転についても、住民の意見を反映させた計画が求められる。政府や関係機関は、住民の生活を守るための具体的な支援策を早急に検討・実施することが求められている。
- 東京都内の賃貸住宅の家賃が過去10年間で大幅に上昇。
- 吉良よし子議員が、賃貸住宅への家賃補助の導入を政府に要請。
- UR団地の建て替えに伴う家賃上昇や住民の移転に対する不安が高まる。
- URの家賃減額制度には所得要件や適用期間の制限があり、すべての住民が対象ではない。